断腸亭料理日記2021
3942号
9月30日(木)第二食
さて、煮穴子。
煮穴子が食べたくなった。
余って冷凍している赤酢の酢飯で丼。
煮穴子というのは、むろん江戸前鮨の種であるが、
うまいものである。
とろとろに柔らかく煮るのが、江戸前仕事であろう。
今日はよい天気。
気温もそこそこ上がっている。
やっぱり素足に雪駄に戻っている。
半袖のポロシャツだが、薄いパーカーを羽織って。
御徒町に着いて、よもだそばで、半カレー。
吉池へ。
穴子は、ほぼ必ず置いている。
前回は、細い安いものであったが、煮穴子であれば、
やっぱり、太い、厚いものの方がよい。
今日は、細いのも太いのも両方ある。
奮発して太いのにしよう。
一本、1,000円を超える。
帰宅。
1,458円。
長崎対馬産。
もう最近は吉池では、対馬のものしか見かけない。
出すと、こんな感じ。
50cm以上はあろうか。
こんな立派なものは、このくらいの値段になる。
むろん、太いものの方が、脂がある。
細い穴子もうまいが、こちらはほんとは天ぷら用。
江戸前天ぷらでは、細いものを一本のまま揚げる。
塩で揉み洗い。
これはぬめり取り。
だが、一度くらいでは取れない。
ぬめりはどうしても生ぐささのもとになる。
前回、一度湯がいてから煮た。
湯がいて洗ってから煮ると、生ぐささは残らなかった。
こちらの方が、らく、で、ある。
三つに切って、鍋で湯がく。
煮立てばOKだろう。
ざるに取って、流水でよく洗う。
圧力鍋。
柔らかく煮るので、ざる、ほんとは裏漉し器、に
のせて、鍋の中へ。
水煮でもよいのだろうが、しょうゆと、砂糖、酒。
ひたひたよりも水位は低いが圧がかかるので、
これでよいだろう。
煮汁は、煮詰めることになるので、少ない方が
好都合なのである。
ふたをして、点火、加熱、加圧。
厚い穴子なので、圧が上がって今日はいつのも倍の10分。
火をとめて、放置調理。
30分。
煮上がった。
取り出す。
とろっとろ。
触れば崩れるほど、柔らかくなった。
やはり、このくらいが江戸前であろう。
煮汁は、フライパンへ。
砂糖と、しょうゆ、前回のたれも足す。
煮立てる。
そして、煮詰める。10分、15分か。
このくらいでよいだろう。
冷凍庫の赤酢の酢飯をレンジで2分半。
丼に盛って、酢飯の上にもみ海苔を先に敷く。
ぶ厚い穴子をのせる。
そして、煮詰めた煮汁をたらす。
最後に、上から細く切ったきざみ海苔ものせる。
出来上がり。
ビールを開けて、食べる。
いえ、これがまずいわけがない。
やっぱり、ぶ厚い身を柔らかく煮るのが
最もうまい、穴子の食べ方ではなかろうか。
赤酢の酢飯としょうゆの甘辛というのは、
こんなにも合うのか。
海苔を上と下で使い分けているのは、上は見栄え。
下のもみ海苔が、実質的な海苔の役割。
丼、と書いているが、酢飯なので正しくはちらし鮨である。
今は混ぜ込みんだものをちらし鮨をイメージする
ことが多いが、東京ではこれが酢飯の上に種をのせた
ものがちらし鮨。
鉄火でも色々のせたものでも、江戸前ちらしでは、種と
酢飯の間に、海苔を敷く。やっぱり、海苔はほしい。
それにしても、ぶ厚い穴子、まさに堪えられない
うまさ、なのだが、いい値段である。
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