断腸亭料理日記2021

きすと白いか、そら豆の天ぷら その2

3865号

引き続き、天ぷら。

きすと白いかとそら豆。

私にとってはハードルの高い、きすの開きは、
背開きで、そこそこきれいにできたので、
まず一安心。

白いか。

白いかは、食べやすい大きさに切っておく。

プロはいかには包丁目を入れたりすることもあるが、
そこまではしない。まあ自分で食べるのでよいか。
反(そ)ってしまわないようにということもあろう。
また、刺身でも食感がよくなり、甘くもなる。
これ、京都系の割烹料理の技ではなかろうか、
江戸前鮨ではあまりしないようである。

ともあれ、ここまで、下ごしらえ。

揚げ油の用意。

胡麻油にサラダオイルを加えた天ぷら油である。
一応、普通のフライとは使い分けている。
やはり、天ぷらは胡麻油の香りがあった方が
それらしい。
使い終わったものを冷蔵庫で保存している。

冷蔵庫から出して揚げ鍋に移し
余熱をしておく。

大根をおろす。
皿に紙を折って、用意。

天つゆも用意。

ここまですべて終わらせてから、
衣作り。

ボールに全卵一つを割ほぐす。
ここに冷水。
量は、今日使う衣の量。
もちろん、目分量。

氷を数個。

開いたきすと、切った白いかに、粉。

いつも通り、天ぷら粉。
以前は薄力粉を使うようにしていたが、
やっぱり失敗の少ない天ぷら粉が定着している。
両面にしっかり。

玉子冷水に、天ぷら粉。
これも目分量であるが、堅くも緩くもない
“いい感じ”まで。

油を180℃まで再加熱。
これはガス台の自動モードでセット。
やっぱりこの機能、便利である。

油温が上がったら、いかから衣へ入れ、
投入。

いか、特に少し薄いこの白いかの揚げ時間は
ごくわずかにしなければいけない。

30秒、いや、なん度もこの白いかは揚げているが、
30秒ですら長い。
20秒!。
もちろん油温が高温であることが条件であろう。

ともかくも、もう、すぐ、で、ある。

軽くひっくり返しつつ、20を数え、あげる。

火を止め、すぐにお膳の皿へ。

やっぱり反っている。
ビールを開け、天つゆに大根おろしを入れ、
食べる。

反ってしまっているが自分で食べるには十分。
白いかは、プチっとした食感もよいし、
噛むと柔らかく、あまい。

食べて、すぐに立って、きすにかかる。
こちらは、しっかり揚げる。
5枚。

きす。

よく揚がった。

きす、というのは、うまいもんである。
淡泊ではあるが、ほんの少し、きすらしい香りがある。
これが、よい。

食べて、そら豆。
衣に入れて、揚げる。
衣はそのまま。
かき揚げ状の仕上がりもあろう。であれば、
少し堅めにしてもよい。
が、そこまではよいだろう。
一つ一つで揚げよう。

油温は、ちょっと落として、170℃。
少し長めに揚げる。

そら豆天。

どうであろうか?。

ちゃんと火は通っている。
そら豆の天ぷら。

が、これでよいのか?!。
近藤氏はもちろん、プロの揚げたそら豆の天ぷら
というのは食べたことがない。
一般の天ぷらやでは、あまり見ないように思う。
やはり、山の上ホテル系?。

ともあれ、そら豆を天ぷらにする意味、で、ある。
ちょっと考えてしまった。

私などが揚げたものは、そら豆を揚げたもの。
それ以上でも、以下でもない。
これならば、ゆでればいいじゃないか、と思えてくる。
ゆでた方が簡単だし。

なにか、むりやり天ぷらにしている?。
そんな風にも思えてしまった。

 

 

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