断腸亭料理日記2021
3996号
12月21日(火)午後
さて、毎度お馴染み、午後からそばやで一杯、
なのだが、今日はちょいと足を伸ばして、
神田[まつや]へ行ってみようか。
今日は天気もよいが、少し暖かい。
元浅草の拙亭から、神田須田町までは
どうであろうか、自転車でぶらぶらこいでも
20分程度ではなかろうか。
自転車で風を切っても今日は大丈夫である。
15時頃であるがきてみると、店前に4〜5組の列。
ウイークデーのこんな時刻に。
まったく、大人気のそばやになっている。
これは一重に池波先生に負うところが
大きいのではなかろうか。
そばやで呑むというのも、先生が流行らせた
といってよいのではなかろうか。
少し待って、入る。
アクリル板の立ったお膳に相席で掛ける。
お客は団塊など高齢男性組だけではない。
サラリーマンはさすがにみえないが、意外に、
高齢の女性組、大学生と見られる若い男性組
そんな人々もいる。
また、その半分以上は呑んでもいる。
ここのよさ、というのは、老舗有名店でありながら
敷居が高くないということであろう。
ご飯ものも今も置いているし、老舗有名店にありがちな
お姐さんの、うちはこうです!、的な高飛車な態度が
ほとんどない。
居心地がよい。
出すそばがうまいのはもちろん、であるが、
この敷居の低さが、ウイークデーのこんな
半端な時刻にも列を作らせるのであろう。
客商売ということを最近よく考えるが、
まったくこういうことなのではないか。
慇懃にしろといっているわけではもちろんない。
自然体でお客の身になったサービスを提供する、
とでもいうのか。
浅草寿の[ペリカンパン]のご主人がいっていた、
お客の身になるということ。
もちろん、その姿は店によって違ってこようが、
この“お客の身になる”ということを実践して
いるところがどんどん減っている。
ともあれ。
お酒ぬる燗。
ここのお猪口というのは、形がちょっと変わっている。
背が高いのではなかろうか。
そば味噌で、一杯、二杯。
肴は天ぬきを頼んだ。
どこのそばやに行っても、秋冬には
なんだか同じものを頼んでしまう。
ここは、かき揚げではなく、海老天二本。
三つ葉にゆずも浮かせている。
それは、ここの天ぷらそばが、この形なので
そのそば抜き。
ここのつゆは、浅草ほどではないかもしれぬが
やっぱり東京下町流に多少しょうゆの勝った濃いもの。
このつゆの天ぬきで酒を呑めるのは、幸せ、
で、ある。
つゆもぜんぶ飲み干す。
さて、そばはなんにしよう。
ノーマルなざる、でもよいのだが、、
品書きを見る。
写真の入ったもの、季節限定ものであろうか、
なめこそばに目が留まった。
温かいものもあるが、このざる。
つゆになめこが入っているのであろう。
頼んでみよう。
きた。
盛のよい、ざる。
ここは、一人前の盛がよいのである。
ただ、なめこを入れただけのつゆ。
だが、天然のものであろうか、スーパーのパック入りで
形の揃ったものではなく、大小いろいろな
大きさのなめこ。
青いのはゆでた三つ葉。
彩りと香りがよい。
自分でもやることがあるが、そばつゆになめこを
入れるのは、うまいもんである。
なぜかわさびがない。
なめこにはわさびを付けないことにしている、
のであろうか。
更科までいかないが、ちょっと白味がかったそば。
なめこの香りのついたつゆにひたし、一気に手繰る。
うまい、うまい。
ご馳走様でした。
席で勘定。
ありがとーございましたー。
神田[まつや]、やっぱりよいそばや、
で、ある。
03−3251−1556
千代田区神田須田町1−13
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