断腸亭料理日記2020
4月22日(水)第一食
たまには、こんなものを。
ケイジャン・ビーフと山盛りフライドポテト。
なにかジャンクな食い物である。
長くお読みいただいている読者の方は
覚えて下さっているかもしれぬが、
以前から、好きで食べている。
というスパイスミックスを使えば誰でも簡単にできる。
ジャンクであるが、うまいものである。
ケイジャン。
スペルはCajun。
英語と言ってよいだろう。
ケイジャン料理。
アメリカ南部の郷土料理などと説明される。
もう少し特定するとルイジアナ州。
ご存知のニューオーリンズが州都。
西隣がテキサス。
Cajunの語源はAcadia、アカ(ケイ)ディアだそうな。
さらに語源はギリシャ語のArcadia、アルカディア、
理想郷とのこと。
北アメリカ東北部に入植したフランス人が英国に追われ
結局、当時英国人入植者のいなかった南部のルイジアナに
たどり着き、定住した。これがAcadian、アカ(ケイ)ディアン。
そして、彼らの料理がCaijun、ケイジャンということになる、
とのことである。
(asahi.com)
(wiki)
まるっきりの余談だが、NHKのBSでジョン・ウェインの映画「アラモ」
をやっていたので初めて見た。
これは、ルイジアナの隣のテキサス。当時、テキサスはメキシコ領で
メキシコから独立。独立軍は、アラモというところに籠城し、メキシコの
大軍と壮絶な戦いを行う、という話であった。
私、アメリカ史というのに、まったく素養がないので、へー、そんなことが
あったんだ、というのが率直な感想であった。
それで、こんなことを考えた。
アメリカ人というのは、先住民のインディアンを虐殺もし、追い払い追い詰め、
アカディアのようなフランス人入植者ともバトルし、スペイン、スペイン人、
メキシコ、メキシコ人などとも戦い、領土買収もし、、。
そうであった、去年書いたが、ハワイもそうである。
アメリカは太平洋の自然にあふれる静かな王国を倒し、駆逐している。
まあ、そんな感じに国が出来上がった。それを彼らはアメリカンドリームと
いう、、のか。
むろん我が国も、朝鮮半島の侵略併合、中国大陸侵略戦争、満州建国、
フィリピン、インドネシア、インドシナ半島、、など東南アジアへの
侵略戦争。周辺各国の在来民族文化の破壊、虐殺、支配をしている。
時代として世界は、植民地主義、帝国主義の時代であったから、
と言ってしまえばそれっきりだが、アメリカでは先住民文化というのは、
破壊し尽くされて、今は跡形もない。(最近は考古学的な発見もあり、
先住民文化見直しの動きはあるよう。)
ご存知のマヤ、アステカなどの中南米文化も然り。
南北アメリカ大陸は、我々と同じモンゴロイドが彼の地に渡り、
独自で豊かかつ高度な文化を築いた。
オーストラリア、ニュージーランドなどオセアニアも英国によって
占領され先住民文化は駆逐されている。先住民文化を駆逐という意味では、
我が国でも北海道のアイヌ、沖縄・琉球国も然りである。
駆逐し一度消滅してしまった文化の再構築は不可能である。
痛ましい。
これがドリームであるはずがない。
その上に、現代の我々の国があり社会がある。
負の歴史として、明確に記憶しておくべきことである。
そうとうな余談であった。
ケイジャンシーズニングであった。前にも書いているが、私の好きな、
独特な“あの味”なのである。
例えば、チリソース。
東南アジアの甘ったるいものではなく、
アメリカで定番のちょっと辛いトマトソース。
あれにもこの風味がある。
モスバーガーのモスバーガーに入っているトマトソースも
そうであろう。上野あたりのケバブ屋台でもよくかけられる。
このケイジャンシーズニングを入れる、掛けるだけで
“あの味”になる。
まったく便利で、うまい。
使い始めた当初は、出来合いのスパイスミックスを使うのに
抵抗感はあったのだが、今は、便利なので、もういいか、と
思って重宝するようになっている。
結局“あの味”、正確には風味であろうが、の本体は、
クミン、オレガノ、タイムのミックスだと思われる。
ここにそこそこの唐辛子(チリペッパー)、ニンニク。
これでほぼケイジャンシーズニングの風味が出来上がる。
最近はこれを使って、ジャンバラヤも作ってみた。
基本、鶏肉にシーズニングをかけて焼く、
ケイジャンチキンが多いのだが、今日はビーフでやってみる。
材料はステーキ肉。
切って、シーズニングをもみ込む。
そこそこたっぷり。1時間は置いておきたい。
濃いめがうまい。
冷凍ポテトを揚げながら、肉も焼く。
盛り付けて、出来上がり。
ポテトには、ケチャップ。
ビールとともに、ワシワシ喰らう。
ケイジャンシーズニングは、同じ味になるので、
むろん、ビーフでもうまい。
まったくジャンク。
だがジャンクがうまい。
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