断腸亭料理日記2020
4月24日(金)第二食
昼、自転車で買い物に出る。
毎度お馴染み、吉池。
すると、お!。
先日一匹しかなかった鮎が、豊富にある。
課題であった、鮎。
むろん養殖もの。
天然鮎は、ほぼ吉池などでも見かけない。
ほしければ、ネットなどで取り寄せる以外には
ないだろう。
一匹、200円と250円。
これは大きさ違いのよう。
産地は珍しく書かれていない。
せっかくなので、大きいのにしようか。
塩焼きと鮎飯。
計4匹。
買って帰宅。
冷蔵庫へ入れておく。
炊き込みご飯である。
酒を入れて浸水するので3時間は必要。
先に仕掛ける。
米を洗って、酒をたっぷり。
水加減の半分は酒、かもしれぬ。
今日は、鮎なので、薄口しょうゆの気分。
量は、テキトウ。
完全に勘である。
濃口しょうゆであれば、ある程度色で濃さ加減が
わかるのだが、薄口は経験値も少ないので、まったくの
勘。
水を足して、二合の目盛りまで水加減。
夕方、作り始める。
鮎は出すとこんな感じ。
写真では伝わらないが、鮎というのはぬめりがある。
鮎の場合は、先日の穴子などと違って、さほど
生ぐささにはつながらないと思うが、塩で洗って
きれいにする。
鮎飯からかかるので、二匹、腹を出す。
なん度も書いているが、鮎飯は池波レシピ。
先生の好物といってよかったのであろう。
作品にもたくさん出てくる。
同心木村忠吾が目黒不動裏の[伊勢虎]という料理やで
食べる。
これは多摩川で獲れた鮎。
また、エッセイではお気に入りの宿を綴った
「よい匂いのする一夜」。
埼玉の寄居にある[京亭]という旅館。
ここの鮎飯が先生が食べた最初のもののであったよう。
寄居は、荒川の鮎である。
また、先生は京都などでも盛んに食べていた。
まあ、贅沢なもの。
ともあれ。
私の鮎飯はかなり試行錯誤したが、まずは、腹を出す。
これ、最初は、腹を出さないで苦い鮎飯を食べていたもの
で、ある。
腹を出して、白焼き。
これを3時間浸水をした釜へ。
焼くと、なかなか脂があるのがわかる。
このまま炊けばよい。
塩焼きの方は、鰭への飾り塩も含めて、塩をする。
このまま焼けばよい。
ご飯が切れた。
蒸らし時間をおいて、開ける。
鮎を取り出し、頭と骨を取る。
釜に戻し、混ぜ込む。
塩焼き。
たで酢はないので、ただの酢。
アップ。
ビールを開けて、食べる。
ほぐしてみると、おわかりになろうか、
骨のあたりのゼリー状の部分。
これが脂、であろうか。
よくわからぬが、天然物にもあるが、やはり養殖ものでも
大きいものにはこれがあるのか。
うまいものである。
はらわたも食べる。
塩焼きを食べ終わり、鮎飯。
茶碗によそって、もみ海苔。
柴漬けも出す。これは上野広小路の[酒悦]のもの。
やはり、鮎飯には薄口しょうゆでよかった。
濃口しょうゆにはない独特の香りが、よい。
塩味(えんみ)はちょっと、濃いめだが、私には
ちょうどよい。
また、酒を多めに入れるのも、私は好み。
やはり、うまみ、アミノ酸であろうか。
かなりの贅沢感である。
養殖ものでも、鮎の塩焼きと、鮎飯、
大々満足、で、ある。
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