断腸亭料理日記2019
10月25日(金)第二食
さて。
また、大雨。
今日は、しばらく前から行きたかった本所石原のレストラン
[クインベル]。
もう随分前から行っている。
下町にあるが、只者ではないシェフの店。
5時半開店なので、5時半に一応、予約をして、
出掛ける。
石原まではバス。
錦糸町行き、都バス「都02系統」。
出る時には、雨はやんでいる。
[クインベル]は石原三丁目のバス停の真ん前。
ちょっと早く着いてしまったので、バス停前の路地を
北側に入ったところにある、徳(ノ)山稲荷へ。
池波先生ファンならご存知の
江戸幕府の旗本「徳山五兵衛」の屋敷跡にあるちっちゃなお稲荷さん。
暗くなった小さな神社というのは、ちょいとコワイ。
池波作品にも登場し、歌舞伎のモデルにもなった盗賊、
日本左衛門の首洗いの井戸なんというものもある。
お賽銭も出してお参りはするが、早々に出て、
5時半少し前、店に。
ウイークデーの夜のこの時刻、さすがに一番乗り。
小さく、レストランというよりも町の食堂といった趣の
実に居心地のよいところ。
シェフのご主人ともう一人若い男性と、奥さんの三人。
ここは、コースもあるが、昔からアラカルト“居酒屋スタイル”
で頼みたくなる。これも下町らしい。
ここでは外せないメニューがいくつかある。
ドライカレーのオムライス、ワタリガニのパスタ、
それから、最近評判が定着しているといってよい、牛ヒレ肉の
カツサンド。
オムライスもワタリガニも外せないと思ってきたので
そこまで炭水化物系は食べられないこともあり、今まで
カツサンドまでたどりつけなかった。
ワタリガニは今日は外して、牛カツサンドにしよう。
メニュー数は多い。まずはサラダらしいもの。
牛タンのオニオンサラダ。
それから、シーズン出端の牡蠣。牡蠣だけでもいろいろあるがの
オーブン焼を。
そして、オムライスと牛ヒレのカツサンド。
これでいってみよう。
牛タン。
これは、うまい。牛タンもさることながら、これ、
ドレッシングなのか、玉ねぎがべら棒にうまい。
さらし玉ねぎなのであろうが、シェフの舌、味覚感覚が
異次元といってよいほどなのではなかろうか。
どういうものを入れて、この味が出来上がっているのか、
まったくわからない。流石である。
牡蠣のオーブン焼き。
今年初めての牡蠣。
一緒にのっているのはチーズとトマト。
これは、どちらかといえば、そのまま。
殻のスープもそのまま一口で口に入れる。
むろん、うまい。
これが、クインベルの牛ヒレカツサンド。
いかがであろうか。この姿。
絶妙な色にトーストされたパンと、レアに揚げられた
牛ヒレの切り口。
美しいではないか。
これ、初めて見たが、カツサンドといえば帝国ホテル。
このシェフ、帝国ホテルのご出身なのではなかろうか。
なんだか、そんな気がしてきた。実に丁寧な仕事のように感じる。
先日書いた帝国ホテルの看板、シャリアピンステーキが
ここにはある。
食べると、サクッとした食感、肉が柔らかく、上等なうまみ。
辛子、バター、ケチャップ、あたりの味わいか。
噂通り、王道の牛ヒレカツサンドといってよいのではなかろうか。
素晴らしい。
そして、ドライカレーのオムライス。
まわりは、デミグラス系のソース。
ケチャップのかかったふわとろの玉子に、中は
ちょっとスパイシーなドライカレー。
なん度も食べて、ここに書いているが、この味の
組み合わせである。
それぞれはある程度皆、馴染みのある味。
だが、なぜ、こんな組み合わせを考えたのか。
それぞれ、個性は強いように思うのである。
これらの味の組み合わせが、一緒になり、一皿の
うまい、うまい、他のどこにもない、オムライスになる。
筆や紙ではとても表せない。
うまかった、うまかった。
やっぱり[クインベル]流石であった。
この方、もうここで長いと思うのだが、なぜこの地で、この店を
やられているのか。
もっとゴージャスなところで、とも思うのだが、、、。
そういうものは肌に合わない?この地のこの店がお好き、
なのか。
墨田区石原1-25-5
03-3623-1222
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