断腸亭料理日記2019
10月24日(木)第一食
さて。
[角萬]というそばや。
ご存知の方は、ご存知。
まあ、あたり前だが。
元は竜泉にあった。
そば界のラーメン二郎とも呼ばれている。
豚肉とねぎの、太い冷やしそば。
ヒヤニク。
創業がいつなのかは、よくわからない。
戦前なのか、戦後なのか。
昭和40年の地図には名前が載っている。
場所としては、浅草の北。
お酉様だったり、吉原、あるいは飛不動、樋口一葉記念館のそば。
国際通り沿い。
昨年一杯で、竜泉の店は閉められて、
今年の一月、新しく浅草四丁目、見番のある柳通りを
北へずっといったところに新しく開店していた。
これは実は私も知らず、今年に入って、
竜泉の店へ行ってしまい、貼紙を見て知ったわけであった。
寿町の耳鼻科へアレルギーの薬をもらいに行ったついでに
浅草四丁目の新しいところへ行ってみようと思い付いた。
いや、正確にいうと、少し前からここのヒヤニクが
食べたくなっていたのである。
うどんよりも太いと思われる豚肉のそば、
品書き上の名前は、肉南ばん。
ノーマルな温かいものもあるのだが、ほぼ皆が、
冷やしを頼む。
それでヒヤニク。
そして、多くはヒヤニク・ダイ、と頼む。
つまり、冷やし肉なんばんの大盛。
二郎同様、もはや、呪文のような、符丁のような状態であった。
竜泉時代の過去のもの。
この店に歩いてこようとすると、どこからも遠い。
一番近いというと、TXの浅草であろうか。
観音様の裏なので、浅草、観音裏。
界隈は見番、料亭のある浅草花柳界のはずれ。
新しい店はこんな感じ。
13時すぎ。
列にはなっていない。
入ってみると、店内はきれいだが、以前と雰囲気は
変わらない。装飾、飾りっ気は皆無。
お客も以前と同じでなのであろう。皆、下町の顔。
よかった、よかった、なにか安心してしまう。
むろん、相席で座る。
私は、ヒヤニク。
お姐さんに、ダイじゃなくて?と聞き返される。
いや、そんなには食べられない。
これが、ヒヤニク。冷やし肉なんばん、並。
アップ。
この太さ!。
そば粉と小麦粉の割合がどんなものなのか、わからぬ。
うどんではないが、そばからも少し遠いか。腰は強い。
だが、このヒヤニク、自分でも再現してみたことがある
のだが、やっぱり細いそばではだめ。
この太い、モチモチした麺だから、よいのである。
つゆは冷たいのだが、肉とねぎは温かい。
ヒヤではなく、温かいものも食べたことがあるが、
やっぱり、このヒヤの方がうまいのが不思議である。
肉が少ないような、、、
店が変わったから?。
誤差の範囲か。
だが、もちろん、
うまい、うまい。
太いそばと、豚肉とくたくたになった、ねぎ。
どうして、こんなものが生まれてきたのか。
おそらく、ラーメン二郎よりも古いのではなかろうか。
ガテン系、鉢巻き系?。
吉原も近いが、場所柄?。
いや、界隈に、こんな感じの飲食店は他にはないのではなかろうか。
まったく不思議。
旧竜泉の店は後継者がなく閉店しという。
働いていた方が、今度の店を開いたという。
元の看板も店の中に掲げられており、使い込まれた
品書きの札も、テーブルや椅子まで元の店のものを
使っているよう。むろんのこと、前の店主から
オーソライズされているのであろう。
ヒヤニク、税抜き1,000円也。
意外に安くない。
だが、もちろん、うまかった。
ご馳走様でした。
よかった、よかった。
台東区浅草4-45-4
03-6802-3929
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