断腸亭料理日記2019
10月22日(火)第二食
さて。
昨日の秋鮭のムニエルに続いている。
鮭は、サーモンなのだが、サーモンという名前で世界でにぎり鮨、
あるいは刺身の中で、マグロなどを差し置いて最も人気のあるもの。
その上、驚くべきことに、日本の回転寿司で人気No.1というのは、
最近はサーモンらしい。(2018年マルハニチロ調べ)
欧米人を含めて、日本人以外がいわゆる魚らしい生ぐささが
少ない、鮭、サーモンを好むのはわかるが、日本人でも、
No.1人気というのは正直のところびっくり。
私など、サーモンの鮨など邪道である、と以前から
思っていたし、今でもそれはあまり変わらない。
東京でも、それこそ赤酢を使っているような、江戸前を強く
標榜しているところでは、今もサーモンはまず置いていない。
が、サーモンのにぎり鮨がまずい、のか、といわれれば
そんなことはないと思っている。いや、むしろ、うまい。
人気No.1というのは驚きではあるが、考えてみれば、さもありなん
であろう。
普段であれば、刺身にしてもにぎりにしても、あえて食べようとは
しないが、昨日から鮭のことを考えていて、食べたくなった。
例の赤酢の酢飯でにぎりを作ってみてはどうだろうか
と、考えたのである。
鮭といえば、またまただが御徒町の吉池。
吉池は自ら鮭の加工場を持っている。
塩鮭の品揃えの多さは自慢であろう。
まあ、サーモンの刺身も、どこのスーパーにも置いているが、
品質は違っていよう、と。
塩鮭は地下だが、刺身用のサーモンは一階の通常の鮮魚売り場にある。
一種しかないが、一柵500円ちょいのもの。
ノルウェー産アトランティックサーモン。
最近は、チリ産のサーモントラウトというのもある。
以前に調べたが、ノルウェーのサーモンは、大西洋に住む、
タイセイヨウサケ。チリのサーモントラウトは日本でいうニジマス。
どちらも海での養殖もの。
サーモンだけでは飽きるので、多少安く並んでいた、
宮城産のマカジキ。さらに、刺身用に切れらたインドマグロ
赤身、一人前のパック。
こんな感じ。
(マグロは撮り忘れてしまった。)
米は出掛ける前に浸水をしておいた。
電気炊飯器のカタメモードで炊く。
余談で、前にも書いたような気がするが、電気釜でのご飯の
炊き上がりのこと。
最近、なにかのTVで視たのだが、関西のメーカーのものは
柔らかめに炊き上がるように設定されていきたとのこと。
私はどうもそうなのではないか、と以前から思ってきた。
東京の人間の私は、飯はカタメでなければダメである。
カタメ、ヤワラカメと、東日本と西日本できれいに好みが
分かれるのかは知らぬが、京都の料亭の正しい飯の炊き方
は、蒸らしすらしない、柔らかいもの。
家電メーカー、特に電気炊飯器は、松下であったり
関西の方が強かったのかもしれぬ。今の家のものシャープ製だが、
ノーマルモードで炊くと、私の好みよりは柔らかい。
お茶の入れ方などもそうだが、関西の好みが全国標準に
なっているものは意外にある。
東京のお茶は、深蒸し茶で高温で濃く、渋くいれるが、
本当である。玉露などあまみが多く高級なお茶は低温で入れる、
というのはむろん理解できる。だがお茶はそれがすべてではない。
さて。
酢飯であった。
半割の赤酢であるが、今日は少し微調整。
赤酢というのは、透明な普通の酢よりも酸味が少ないよう
な気がして、ちょっと全体量を増やした。
ご飯一合分で、40mlを50ml、赤酢と穀物酢の半割は一緒。
そこそこきれいに混ざった。
量の違いもあったのか、慣れてもきたのか。
柵を切る。
サーモンとカジキとマグロ。
いつもの通り、握る。
アップ。
食べてみる。
もちろん、サーモンから。
あ!、忘れていた。
ニキリを用意しようと思っていたのであった。
どうしたって、塗ってあった方が、食べやすい。
まあよい。いつも通りしょうゆだ。
サーモン。
うまい。
実は、赤酢に合うのではないか、と考えていたのである。
サーモンというのは、脂と食感、香り。
柔らかく、トロっとして、個性が強い種。
赤酢というのは、旨味が強いと書いている。
サーモンだけに合うということではもちろんないが、
結局、にぎり鮨というのは、酢飯、種、濃口しょうゆ(ニキリ)の
ハーモニーで、それぞれ単体で食べるよりももっとうまくなる。
そういう料理である。
赤酢は個性が強い。少量ではなく、半割で使っているのでなおさら
なのだが、赤酢の味が下支えし、というのか、種=魚の個性と
飯、全体を包み込み、まとめている、というような感じというのか。
マグロ赤身にも、もちろん合う。カジキもうまい。
疑問が出てきた。淡泊な、白身、平目ではどうか。
プロのように、もう少し赤酢は抑えた方が、適切かもしれぬ。
今度やってみる?。トウシロウが高価な平目を握るのは、
もったいないか。
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