断腸亭料理日記2019
10月28日(月)第一食
さて。
昼。
今は、朝は食べないので、昼が第一食。
稲荷町の洋食[ベア]へ行こうか。
最近は書いていないが、今もよく行っているところ。
元浅草の拙亭からは清洲橋通りを渡り、すぐ。
まあ、ご近所といってよいだろう。
下町の洋食や。
だが、創業はいつなのかわからないが、老舗というほどでは
ないと思われるし、有名店でもないだろう。
過去のもの。
ここは、最近は頼んでいないが、盛んに出前を書いている。
(今しているかは未確認。)
下町の洋食やというのは、出前をしているのは
伝統であろう。
浅草雷門通りのハンバーグで有名な[モンブラン]は
今も、ポストに出前用のメニューがよく入ってくる。
この界隈というのは、古くからの一軒家、マンションも
多いが、半分はオフィス街といってよいだろう。
[ベア]のお客は昼も夜も、近所のオフィスのサラリーマンが
大半を占めるかもしれぬ。
12時すぎ、自転車で向かう。
永寿病院の通り。
こちらから行くと、左側の角。
店の前におすすめのメニューが書かれている。
Bのカキフライとハンバーグというのが目に付いた。
[クインベル]で牡蠣は食べたが、フライもいい。
ハンバーグはここの看板料理ではないだろか。
実は、ここは支店なのか、暖簾分けなのか、わからないが
蔵前と浅草橋に[ハンバーグ・ベア]というのがあり、
これらは、名前の通りハンバーグが主。うまいし、繁盛している。
お昼でも列をなすようなことはない。
カウンターもある。
ほぼ満席だが、カウンターに座れた。
広くはないがテーブル席も含めて20席以上はあるだろう。
外は女性とお爺さんの二人。
中はやはり比較的高齢な男性三人。
決めていたので、Bのカキフライとハンバーグを頼む。
お客の出入りに合わせて、いらっしゃいませ、
毎度ありがとうございます、の声を皆、発している。
特に、外のお爺さんが如才がない。
混んでおり、ちょっと時間がかかったので、
お爺さん、私の料理を運んできて、お待たせいたしましたね、
と、近くで囁くように言う。
顔を覚えられているほど、よく行ってはいないはず。
こういう言動が身に付かれているのであろう。
今の飲食店で、こういうことができる人は、いなかろう。
これが下町らしいということでもあるかもしれぬ。
カキフライとハンバーグ。
ご飯と味噌汁。
ここ、出前でも味噌汁がついてくる。
今日の具は、玉ねぎ。
おそらく煮干しであろうと思うが、出汁が濃い。
料理のアップ。
おわかりであろうか、カキフライの一粒が、でかい
のである。いいものを使っているはずである。
揚げ具合もグッド。
もちろん、味もよい。
そして、タルタルソース。
“タルタリスト”としては、たっぷりかかっており、
うれしい限り。
ハンバーグは多少凸凹しているが、うまい。
ナツメグが強い。肉も玉ねぎもガツンとくる。
ハンバーグもカキフライも、帝国ホテルやら、
資生堂パーラーやら、洋食でも超一流とは、
材料も手の掛け方も違っていようが、うまい。
飯も、ここではノーマルな盛りだが、多めであろう。
うまかった。
十二分に満腹。
950円也。
定食価格とすれば、安くはない。
だが、これも十二分であろう。
ご馳走様でした。
うまい洋食やというのは、東京の下町の伝統であろう。
だがやはり、なくなっていく方向かもしれぬ。
ここも皆、高齢。
洋食や、というのは定食やとも食堂とも違う。
明治の頃に洋食やは生まれ一般化した。
浅草や、人形町、銀座といった盛り場では値段も取れ、
お客もよく、老舗、名店として今も繁盛している。
だが、今、洋食やとして新しく店を開く若い料理人はそう多くは
ないのであろう。修行をするのはフレンチやらイタリアンであろう。
先日の[クインベル]や浅草の[大宮]はちょうど、洋食とフレンチの
中間かもしれぬ。
このメニューと味、店の雰囲気。
気取らないが、うまい、ちゃんとした洋食、
なんとか残ってほしいと思うのだが。
03-3831-6430
台東区東上野2-2-9
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