断腸亭料理日記2019

浅草・洋食・ヨシカミ

12月2日(月)第二食

ちょっと久しぶり。
浅草六区の洋食[ヨシカミ]。

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毎日のようにこのあたりも自転車でウロウロしている。

改めて思うがこの浅草も5〜6年前と比べると、
随分と変わった。

一番の変化は、東京の、いや日本中の主だったところと
同様に、外国人の観光客が増え、もはや日常となったこと。
昼間だけでなく、朝から夜まで。東アジア、東南アジア、
欧米人も。
もともと浅草は観光地であったが、国内の観光客はそうは
増えていないと思うが、結果としては浅草の人出は、
大幅に増えたことは間違いなかろう。
ウイークデーが少し前のウイークエンド程度の人出、
そんな感じであろうか。

街並みはどうか。
観光客向けには、街歩きに着るレンタルの着物店。
新築のホテルが開業。
飲食店などは古い街なので大幅には変わらないと思うが、
気が付くと、ぽつぽつと新しいところができている。

外国人観光客は浅草を愉しんでいるのであろうか。
東京で、京都のように神社仏閣のある古い街というのは、
ほぼない。ここだけであろう。
浅草寺はほぼすべてが戦災で焼けているので、戦後の
再建のものだが、皆さんご存知の雷門があり、
五重塔があって、大きな本堂。
仲見世も浅草にしかない風景であろう。

隅田川から見る、対岸のスカイツリー、アサヒビール
などのビル群。
このあたりも、浅草にしかない。

だがあとは、東京のどこにでもある情景ではなかろうか。
いやむしろ本来の盛り場のポテンシャルとすれば、銀座、
新宿、渋谷、その他に比べれば、かなり見劣りがする。

浅草寺にはくるが、意外に飲食店には入らない?。
ラーメンやでは、まあ、外国人は見る。
洋食やでは見ないかもしれぬ。

すしや通りの焼鳥やの前でもんじゃ焼きの店を
聞かれたことがある。
普通日本人向けの和食店は、看板にローマ字表記はしていない。
この店が目指す店なのかどうか、日本語の読めぬ彼らは、
まるっきりわからないのである。
メニューや品書きは各国語表記のものを用意しているが
看板は意外な盲点なのかもしれぬ。

ROXなども基本は地元の人間向けの店が多かろう。
一階には外国人はいるが、上の階にはほぼいないように
見える。ドン・キホーテには入っている。

浅草演芸ホールや旧フランス座の東洋館は、日本人で
にぎわっているが、言葉のわからぬ彼らはむろん入らない。

彼らが本当に愉しんでいるのか。

浅草がこれからどこへ行くのか。
どこにもない浅草らしさ、やはりこれ以外にはない
のではなかろうか。どこか他の盛り場を真似する必要なない。
浅草らしさ。ごちゃごちゃした猥雑さ、で、あろうか。
ホッピー通り?。水口食堂?。

どんなものであろうか。

大幅な、余談になってしまった。
[ヨシカミ]であった。

夜、6時すぎ。

入るとやはり外国人は見当たらないが、そこそこにぎわっている。

一人なので、いつもの通り、目の前のカウンターへ。

ビールをもらう。

今日は、決めてきた。
ここでは絶対に食べる好物の、チキンライスは不動として、
もう一品は、ポークソテー。
ここでは食べたことがなかった。一応、メニューで確認。
と、おすすめの欄に書かれていた。ほうそうなんだ。

ビールを呑みながら、目の前の料理人達の動きを見る。
これがなによりの、この店のよさである。
サラダを作る、カツサンドを切る。その向こうで、私の
豚ロース肉が焼かれ、チキンライスが炒められる。

出来た。

ポークソテー。
しょうゆ味である。思ったほど味は濃くない。
私の好みとしては、もう少し、とは思うが、これがこの店の
味なのであろう。

チキンライス。

改めて、よく味わって食べる。

味は濃いめなのだが、意外にケチャップの味は強くない。
コピーをしているつもりで自分でも作るが、
もっともっと、ケチャップ味。

作るのを見ているが、具材を炒め、なにか酒を入れて
フランベ。その後ご飯を入れ、ケチャップ。
これ以外には、ない、と思ってきた。
酒は、ウイスキー?、ブランデー?どちらかとは
思うのだが、、。これ以外にもなにか入っていたか?。
バターか?

ともあれ、これも[ヨシカミ]の味。

うまい、うまい。

ご馳走様でした。

勘定をして、出る。

日本の洋食は、やはり外国人には魅力はないのかなぁ。

 

 


ヨシカミ

台東区浅草1-41-4
03-3841-1802

 

 

 

 

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