断腸亭料理日記2019

上野・とんかつ・とん八亭

12月4日(水)第一食

やはりここ、かなりうまいのではなかろうか。

上野のとんかつ[とん八亭]、で、ある。

どうしても食べたくなってきてしまった。

昼のみの営業になって、どのくらいたつのかわからぬが
よかったのではなかろうか。

2016年

3月

今年に入っても、書いていないが他にも1回、2回は
行っていたと思う

開店が11時半なので、今日もそこを目指す。

数分すぎに着くと、もう既に開いていて、並んでいた人も
いたのであろう、入ると、ほぼ満席。

開いていた二人掛けのテーブル席に掛ける。

ロースかつ定食、1,900円也税込み、を頼む。

店を開けてすぐ。
おそらく時間がかかると思われる。
気長に待とう。

お!。

お客さんから贈られたのか、お祝いの花。

ミシュラン5年連続。
ピブグルマンである。

むろん、ミシュランがすべて、ではないと思うが、
やはりそれだけのことはあるだろう。

上野という街は、とんかつ発祥の地、などとも
言われている。
実際のところは、明治終わりから大正の頃、東京では
それまで洋食やの1メニューであった、豚のカツレツが
独立をし、とんかつのみを出す店が同時多発的に
できたのだと考えている。
つまり、流行りのメニューであったのであろう。
屋台の店もあったようである。
上野というのは、その頃創業している[ぽん多本家]
[蓬莱屋]、これに昭和初期の[井泉本店]の三軒が
今もあり、上野とんかつ御三家という。

とんかつの歴史とともに上野ははあった、

といってもよいだろう。
前にも書いているが、上野、浅草にはとんかつやは多いが、
銀座には、老舗といわれるところは、ほぼない。
これはおもしろいではないか。
明治終わりから、大正であれば、むろん銀座は、
ハイカラな街として、既ににぎわっている。
できなかったとは考えにくい、続かなかったのか。
洋食やの老舗はなん軒もあるのに。
不思議である。
ハイカラ、いまならゴージャスな銀座のカラーではない、のか。

ともあれ。

きた。ロースかつ。

味噌汁、お新香、ご飯。

アップ。

薄い揚げ色。
断面は、薄ピンク。

これがまずかろうはずがない。

最近は、塩だけで食べている。
別段気取っているわけではない。
店の貼紙では、ご主人はとんかつソースをすすめている。

塩で食べると、肉の味がよくわかる。
また、衣、油(脂?)の味もよくわかる。

塩で食べると、同じく薄い揚げ色の[ぽん多本家]に
似ているのがわかる。
油はラードで、どこも使っている白い一斗缶のものか。

油切れがわるいと、塩では食べられない。

[ぽん多本家]との違いを挙げると、多少肉が小さいか、
また、パン粉の気持ち小粒。
また[ぽん多本家]はロースでもほぼ脂身はないが、
こちらは、多少残してある。

[ぽん多本家]は単品2,750円で、こちらは1,900円で定食。

むろん、店の雰囲気も違う。
[ぽん多本家]の方が、だいぶかしこまっている。
こちらは庶民的。

1900円でこのクオリティーは、リーズナブルといってよい
のではなかろうか。

御三家以外にもう一軒[双葉]という名店が あったのだが、
惜しくも閉店し、今はない。

[とん八亭]はその四軒目にもはや値しよう。

ここも開店は戦後の1947年。
このご主人で三代目。先代、初代の頃は私は知らない。
だが、長い上野のとんかつ聖地として歴史に名を刻み、
これからも歴史も積み重ねていかれるのであろう。

ともあれ、まさに、食べ終わるのが、実に惜しくなる。

うまい、うまい。

最後の一切れにはとんかつソースをかけて食べる。
もちろん、これでもうまい。

味噌汁も飲み干し、

ご馳走様でした。

おいしかったです。

勘定をして、出る。

夜、ビールとともに、とも思うが、昼だからよい
のかもしれぬ。

03-3831-4209
台東区上野4-3-4

 

 

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