断腸亭料理日記2018

天下一品ラーメン

6月18日(月)昼

さて、月曜日。

家の用で半休を取って、昼、御徒町。

ラーメンでも食おうかと考えた。

御徒町、上野駅付近でラーメンというと
どこであろうか。

数は多いが、ピカイチ、というところは
意外に多くないのではなかろうか。

天神下にあった[大喜]は移転してしまった。

以前から変わらず時たま行っているのは、
北海道ラーメンの[ひむろ]。ここはもちろん味噌。
もう20年程度前になろうか、とんこつ味噌として
初めて東京圏に登場してきて以来のファンである。
行くところに困ると、ここにする。
だが、この季節に味噌でもないか。
([青葉]もあった。)

新しいところもできており、入ってみるのだが
今のところ、ここ、というところはない。

Googleマップで探してみる。

ん!。

どこも知っているところ、なのだが
目についたのは[天下一品]。

以前は東京でもそう多くはなかったと思うが
今は数多くの店舗を展開している。

御徒町にあったのはなんとなく
認識していたが、入ったことはなかった。
久しぶりに、食べてみようか。
[天下一品]は口に合うのである。

上野中通りを春日通りから入ってすぐ右。
入ってみる。

時分時であるがそう混んでいる、というほどではない。
ご飯付きやら、餃子付きやら、様々なセットがあるが、
こってりのノーマルで煮玉子入りを注文。

すぐにくる。


[天下一品]。

こんな感じのラーメンである。

有名なものなのでラーメン好きの方は
食べたことはあるのではなかろうか。

発祥は京都。
いつ頃から東京に入ってきたのであったろうか。

はっきり覚えていないが、社会人になってしばらくした頃、
今から25年〜30年ほど前には、あったのかもしれない。
おそらく、私が初めて食べたのは、今もあるが
神楽坂の店であったと思う。

食べたことがない方がいらっしゃったら
写真を見ただけではわからないだろう。
ここの特徴は、とにかくスープの粘度が高いということ。

まさかそんなこともないのだが、割りばしがスープに立つ
などともいっていた。
麺は細めで丸い。
見た感じは、ちょっと博多ラーメンのよう。

だが、スープはどろどろで、こってり。
鶏ガラを煮出したもの、と、いうがどうしているのか。
ただ見た感じほどはしつこくはない。
塩味は強めではなかろうか。
ご飯が欲しくなる。

かなり個性的で、他にはみられない。
創業はかなり古く、40年近くなるよう。
この歴史はなかなかのものである。
たまには食べたくなる味、ではある。

ご馳走様。勘定をして出る。
京都発祥。
京都といえば、ここと[ますたにラーメン]であろうか、
東京に進出しているというと。

[ますたに]の方は東京でいう“背脂チャッチャ系”。
そうである、あそこも塩味が強かったか。
京都だと薄味という単純なことはもちろんなく、
むしろ逆なのは、ちょっとおもしろい。

しかし、京都でラーメンが発達しているというのは、
おもしろい。隣の大阪だと、まったく違ってかなり少ない。

日経新聞によると近畿でラーメンが発達しているのは京都と和歌山。
それ以外の大阪、兵庫、奈良、滋賀は発達していないらしい。

なぜ、であろうか。
日経の分析では(他はともかく大阪では)高いから
ではないか、とのこと。
他にも理由が挙げられていたが、価格のことは少し
説得力があるような気がした。

今、ラーメンやの相場はノーマルで750円程度
であろうか。ちょっとなにか入れると、すぐに
1000円になる。

大阪人はとにかくケチ?!。
昼飯に1000円はとても出さない。
立ち喰いうどんであれば、むろんもっと安いが
ラーメンもそのクラスでなければいけない、
ということであろう。
なんとなく、うなづける。

京都(と和歌山)の人は、そういう意味で
ケチではない、ということか。
これもうなづける。
京都人は出すときは、出す。
見栄っ張り?。
そんなもの、かもしれない。
東京人もそんなところがあるが、、。

先日、ちゃんぽんは全国に広がっていると書いたが、
ラーメンはそれ以上に、全国にあるわけである。
いわゆるご当地ものも数多くある。
だが、大阪のように、頑(かたく)なに、
というのか、受け入れないところもあれば
そのすぐ隣で発達している京都もある。
全国的にこれ、特に発達していないところを
分析してみたらおもしろいのではなかろうか。
もしかしたら、ここにラーメンの本質というものが
浮き彫りにされるかもしれない。

(しかし、奈良、兵庫、滋賀はどういうことであろうか)。





天下一品






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