断腸亭料理日記2017

やりいかとかじきあら その1

やっと、断腸亭料理日記平常バージョン。

1月13日(土)

土曜日。

例によって、自転車で出たついでに、御徒町の魚や吉池をのぞく。
吉池も年末年始バージョンの売り場で、全般に
値段も高かったが、やっと通常に戻りつつあるか。

目についたのは、まず、やりいか。

1パック、大きなものではないが、4杯ほど入って、
450円ほど。
これは安かろう。

それからメカジキのあら。
カジキはここにはいつも切り身ではあるが、あらがあることは
比較的珍しいのではなかろうか。
300円ほど。

あらといっても、骨などではなく、切り落とし。
脂もありそう。
これならば、切り身と同じようにバタヤキにしても
いけるであろう。

OK。

やりいかは、毎度の、江戸前鮨やのように
ボイルして、例の甘いたれをかけて食べるのでもよいが
寒いので、うん、そうだ。
アヒージョに入れてみてもおもしろかろう。
吉池の地下でバケットを買って、帰宅。

カジキはしょうゆに1時間以上は漬ける必要があるので、
先に洗って、ボールに移す。
ここに全体に馴染む程度のしょうゆを投入。
和えておく。

やりいか。

まずは、アヒージョから。

洗って、

下足をはらわたとともに引き抜く。
きれいに洗って、えんぺらを取る。
胴の部分はそのまま輪切りに。

にんにくは3かけらほど、スライス。
土鍋にオリーブオイルを用意。

火にかけ加熱。

香りが出てきたら、いかも投入。


やりいかは火を通しても硬くならないので安心。
味付けは、例によってナンプラー。
塩味とうま味を加えるためのものだが、
比較的塩味は強めの方がうまいので、
たっぷり。

アヒージョはどこが出来上がりなのか、
そういえばよくわからない。
料理とすれば、にんにくの香りがオリーブオイルに移り、
具材に火が通ればOKである。
てきとうに終了。

パンを焼く。

バケットを買ってきたが、買い置きのものがあったので
そちらから。

焼けたらテーブルへ。


ビールを抜いて、食べる。
うまい、のであるが。
アヒージョというのは、やはり不思議な食べ物である。

きょうは、アヒージョとしては比較的それらしい
やりいか。
いつもは、私は、きのこ類を入れることが多い。

なにが合うのか、という問題。
きのこ類は、あきらかに、にんにくオリーブオイルに、
合うと思う。

やりいかもうまいのだが、
べら棒に合うかといえば、そうでもない。

なくても特に問題はない、ような、、、。
あるいは、やりいかのベストな食べ方か、と聞かれれば
やはり否(いな)であろう。
私ならやはりボイルで甘いたれということになる。
(と、いうことはにぎりの鮨にしてもうまい。)

この前、浅草田原町の[アメッツ]というスペイン料理やで食べたが、海老。
これも、うまいのだが、海老は是非ともこの食べ方がよい、
ということもないし、アヒージョには是非とも海老が入らねば、
ということもない。

つまり、なんでも合うが、これでなければいけない
というものはない、ということ。
(だから、具はなんでもよい、ということになるのか。)

揚げ煮というのは、具材から出汁が出ない、ということであろうか。
にんにくとオリーブオイルは個性が強いので、多少香りぐらいが出ても、
具はサブに回ってしまう、ということか。

ただ、きのこ類だけは違うように思う。
やはり、よく合って、相乗効果で、うまくなるように
私は思うのだが、いかがであろうか。

思い込みかもしれぬが、なんとなくそんな気がしている。



つづく








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