断腸亭料理日記2017
11月18日(土)午後
さて、土曜日。
例によって、昼から呑もうというわけなのだが、
冷蔵庫に生の鮭があった。
今年は北海道で鮭が不漁という。
海流の変化?温暖化?、なのか。
北海道は秋刀魚、するめいかも獲れない。
鰤(ぶり)が獲れる、、、。
日本近海、特に北海道は急激に変化をしている
のではなかろうか。どうなっていくのか。
さて。
冷蔵庫にあった生の鮭は、北海道ではなく、チリ産の養殖もの。
北海道で獲れる鮭は人工ふ化で放流が多いのであろうが、
完全な養殖をしているという話はあまり聞いたことがないような
気がする。
チリの鮭は、ニジマスを海で養殖して我々が知っている
ものよりも巨大にして、日本に入ってきている。
北欧などから生や燻製で入ってきているアトランティック
(大西洋)サーモンも大きなものであろうが、あれも養殖。
日本近海で獲れる銀鮭も養殖したらよさそうだと思ったら
意外にビジネス的にむずかしいようである。
なぜかといえば、国内で養殖するよりも、チリの方が
安いという。
無理をして国内で銀鮭を養殖する必要もないのか。
さて、ニジマスの生鮭、切り身二切れ。
どう食べようか。
やはり小麦粉をまぶして、バタ焼き、ムニエルか。
そこで、問題は味付け、で、ある。
ここのところ、人形町の洋食や[小春軒]でうまかった
カジキのバタ焼きを自作で再現をしようと悪戦苦闘をしたが
最近やっと、それらしくなってきた。
この味は、しょうゆバター。
ポイントは、しょうゆに1時間以上、
よく漬け込むことであった。
同じことを鮭でやってみたらどうであろうか。
鮭といえば、塩鮭であるし、どちらかといえば、
鮭は塩味でしょうゆは経験的には合わないような
気もするが。
2切れあるので、塩としょうゆ、両方やってみよう。
片方には両面比較的多めに塩、
片方はしょうゆをまぶし、1時間ほど置く。
しょうゆの場合は置かないと、味が染みなかった。
塩も鮭の場合、ある程度しっかり馴染んだ方が
よいだろう。
1時間。
塩の方は、少し水も出るくらい。
軽く洗って、白胡椒と、タイムも。
先に、塩から。
小麦粉を両面しっかりとつける。
フライパンを熱し、バターを落とし、
鮭の皮側からフライパンにのせる。
皮めをカリカリによく焼いて、
ひっくり返す。
魚の切り身をフライパンで焼くのは意外にむずかしい。
ところによって厚みが違うので厚い部分は中心部まで
火が通っていないことも起きやすい。
皮の反対側、そして側面、まわしながら火を通し、
よい色を付ける。
皿にのせ、ケッパーも散らす。
ビールをあけて、食べてみる。
ふむふむ。
火もよく通ったし、なかなかうまい。
一口食べて、しょうゆにかかる。
しょうゆを切って、同じように小麦粉を両面にまぶし、
バターで焼く。
こんがり。
同じ要領。
(似たようなものなので、写真はいらなかったか。)
焼きあがった。
同じように皿にのせる。
しょうゆも食べてみる。
やはり。
いかにバターしょうゆ味でも、もう一つ。
塩の方がうまい。
なぜであろうか。
鮭はしょうゆに合わない。
いや、合わないこともないのだが、
より塩の方がうまい。
で、まあ、仮にこの相性を合わないとしておこう。
皆様もご経験はあるのではなかろうか。
しょうゆ味が合わない魚というのも珍しい。
北海道などではちゃんちゃん焼きといって、
味噌味で野菜などと鉄板焼きにするものだったり、
石狩鍋であろうか、味噌味の鮭の鍋がある。
実のところ、私は味噌もあまり鮭には合わない
と思っているのである。
やはり鮭には塩のみが最もうまい。
鮭というのは個性が強い魚で
鮭の味のなにかがしょうゆや味噌、大豆系発酵調味料の
味や旨みと喧嘩をするのではなかろうか。
これ、なんであろうか。
どなたかお分かりになる方おられようか。
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