断腸亭料理日記2016

断腸亭の連休ラーメン その4

断腸亭の連休ラーメン、4回目。

今日は、最終回。

6日、7日、8日の三杯分。

5/6、まずは、ここ。

[超大吉]上野店
台東区上野6-6-4
03-5817-8867

上野というのか、御徒町。

JRと昭和通りの間で[武骨]の向い。

開店は13年ということでもう2年以上たっている。

派手めな店構えで、しばらく前から気が付いてはいたところ。

なんでも川崎の方の[玉(ぎょく)]という有名つけ麺店の系列のよう。

この店はラーメンをメインにしているようだが、
本家に敬意を表してつけ麺にする。


豚骨魚介系のつゆにちょっと太めで気持ちちぢれ、平打ち。

なにか売れ線を集めたような感じでまずくはないが、
ビックリもしない。

有名店のチェーンになる過程の出店という感じであろうか。
次から次へとよくまあ、こういう店が出てくるものである。

次、5/7。

今度は秋葉原。

末広町寄り、メイド喫茶などがある裏通り。

[田中そば店]秋葉原店
千代田区外神田3-8-3 第1針谷ビル 1F
03-3256-3556

ここも半チェーンといってよいのか。

足立区が本拠でもともとは、博多長浜ラーメン。
どういう経緯かわらぬが、浅草の濃厚煮干し系で有名な[つし馬]、
などもグループのよう。

で、ここは「塩とんこつ」、といっている。

中華そば


麺はちょっと喜多方に近いのか。
豚骨でこってりをオーダーしたが、すっきりめ。
塩味は強い。

なんのことはない、ちょっと、浅草[弁慶]を思い出すような味である。

やっぱりここもか。標準以上でまずくはないが
こんなものかという印象。

ある地域で有名店、行列店になって、味違いのような店をポチポチ出して、、
ほどなく海外進出・・・。
おそらく、出資する人があるのであろう。
それだけ、この商売は今、儲かり、東京、日本のラーメンの
平均的な水準が高いということなのであろう。

二日間、これも今の東京のラーメンシーンをある意味代表するような
店になったが、最後はここ。

5/8。

麺処[晴]
東京都台東区下谷1-11-7
03-3847-8553

昨年も行ったが、相変わらず人気を維持している店。
人気といっても、コアな、という冠(かんむり)が
ついているかもしれぬが。

昭和通りと言問通りの交差点。
駅は日比谷線の入谷が最寄。

日曜日もやっている。
2時台、そろそろ昼の営業も終了ということか、
行列もなし。店内もお客一人。

味玉そば。


細くて丸い麺。

ここはとにかく、煮干し。

煮干し、煮干し、煮干し。

浅草[つし馬]などもそうなのだが、いつからこういう味が
流行るようになったのか。

以前、煮干し系といえば御徒町にもある[青葉]などが
代名詞的な存在であったと思う。

むろん魚系の味と香り満載なのだが[青葉]はすっきり。

それに対してこちらは、もっともっと煮干し系を進めた味と香り。

[青葉]も最初は違和感があったが、それでも段々に慣れて、
うまい、と感じるようになっていった。

が、やっぱりここまで濃いと、なん回か食べているが、やっぱり慣れない。

はらわた付きの煮干しを大量に煮出しているのであろう、
やっぱり“苦い”のである。

この味がヤミツキになっている人もいるのであろうが。

そろそろ私は白旗を揚げようか・・・。

と、いったところで、最終回はシマラナイ感じになってしまったが、
これで九日間、九杯のラーメン日記は一巻の読み切り。

フレンチ系、イタリアン系、ご当地、コアなユーザーに支えられた店、
半チェーン化し薄まっていく店、、、。
また、今回は行っていないが、カリスマ化しているようなところもある。

実のあるところ、ないところ。
話題でなくとも、うまい店、、、。

まさに混沌、複雑怪奇、かもしれぬ。

狭い地域であるがこのバリエーションの多さはやはり驚異的といってよかろう。
今回の範囲外だが、ミシュランに載っている店も出始め、
東京ラーメンシーンは商売の匂いも露骨にし始めてもいるのか。

ともあれ。

流行りは流行りとして、最後に、私自身の好みを書いてみよう。
やっぱり、一つは、慣れ親しんだ味でかわらずに、いつ行っても
同じものが食べられる。例えば、高校時代から食べている、新宿の
熊本ラーメン[桂花]。あるいは先に出したが[青葉]もそうである。

もう一つは、ある種天才的な味覚構築能力を持っている人の店。
例えば、天神下[大喜]、市谷左内坂[庄の]あたり。
コケオドシではなく本当に心から驚かせてくれる。

ご通読、感謝。




 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 |




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2016