断腸亭料理日記2016
7月3日(日)第一食
さて、日曜日、第一食。
昨日、御徒町の吉池で鮎を買って、鮎飯と塩焼きにした
のであるが、同時にかじきの切り身を買っておいた。
宮城産、生めかじき。
煮付け用などとしてあるが、煮付けではなく、バタ焼きにする。
バタ焼き、と書いているが、
バター焼きの方が現代語としては正しかろう。
我々の子供の頃はまだ使っていたか。
バターのことを伸ばさずに、バタといっていたのは
いつ頃のことであろうか。
戦後もしばらく使ってたわけだが、
中心は戦前であろうか。
バタ焼き以外にも、バタ付きパン、なんというのも
あったような気がする。
むろん英語の、butter、であるが例えば戦前の英語の
発音のしかたが今とは違っていたのであろう。
余談だが、交通信号のことをゴーストップといっていたとか、
今では日本語に言い換えているが、戦前は
英語をそのまま使っていたようなものもあっておもしろい。
ともあれ。
バター焼きというよりは、バタ焼きの方が
うまそうな感じがする。
いや、実際に老舗の洋食やではバタ焼きといっており、
これが不思議とかなりうまい。
例えば、上野[ぽん多本家]の蛤バタ焼き。
この二軒のバタ焼き、素材は違うのだが、
味は似ている。
バターの香りにしょうゆの風味。
ただ、ちょっと他にはない、
もちろん家庭でもできそうにない味、なのである。
洋食のバター焼きのレシピを調べてみる。
これが、なかなかズバリ、バタ焼き、らしいものは
ないのだが、洋食レシピとして、舌平目のバター焼き、
というのがあったので、これを参考に作り始める。
まずは塩胡椒。
胡椒は黒胡椒とあるので、粗挽きを使ってみる。
これで、10分というので、冷蔵庫へ入れておく。
その間に、付け合せ。
野菜室ににんじんがあったので、グラッセの準備。
切って、コンソメ、砂糖、バターに水を入れ、ラップ。
これでレンジの根菜下ごしらえモードに入れる。
それから、野菜室にあったモロッコインゲン。
一口に切って湯がいておく。
10分たったかじきは水分をペーパータオルでふき取り、
両面に薄力粉をまぶず。
余分な粉をはたき、フライパンにバター。
かじきを投入。
中火で片面、軽く焦げ目のつくまで焼く。
ひっくり返して、酒を入れ、湯がいたインゲンを投入。
ふたをして、2分。
ふたを取り、しょうゆをまわし入れ、
さらに30秒。
一応のところ、これで出来上がり。
インゲンとにんじんとともに、盛り付け。
実のところ、この表側はよいのだが、
裏側は、しょうゆとともに、ちょっと焦げてしまった。
味は?。
う〜ん、、、、。
これも[ぽん多]や[小春軒]と
かなり違う。
しょうゆもちょっと弱いようにも感じるが
これ以上いれると、もっと焦げるか、
水分を飛ばさないとべちょべちょになるように
思われる。
焼き上がった表面の感じも随分と違う。
今回のレシピは酒を入れて蒸し焼きという工程が
入っていたのだが、これがどうだったのか。
蒸し焼き工程が入ると、表面の小麦粉は
パリッと仕上がらないのではなかろうか。
[ぽん多][小春軒]はから揚げのように、
とまではいかないが、かなり硬くなっていたと
思われる。
単純なものではあるが、やっぱりこれは
かなり難しい。
洋食の正調バタ焼き、どなたか、ご存知あるまいか。
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