断腸亭料理日記2016

神田小川町・とんかつ・

T.dining

2月1日(月)夜

また、とんかつ、で、ある。

先週、山本益弘氏の主宰されている「東京とんかつ会議」から
五反田の[あげ福]というとんかつやのことを書いた。

この「とんかつ会議」で殿堂入りしている
神田小川町の[ポンチ軒]

いや、それ以上にミシュランのピブグルマンに
入っているということで注目されているといった方が
よいかもしれない。

五反田からの帰り道、東京駅で降りて
丸ノ内線、淡路町下車。

靖国通り沿いに駿河台下方向に歩いて、小川町の交差点を渡り、
北側の一本裏の通り。
きてみると、、、、、!。
ない。

いや、やっていない。

よくよく調べてみると、、、
今、月火の営業は昼のみであった。

まいった、まいった。

はて、どうしたものか。
この界隈、実際のところとんかつやは多い。
それも名のあるところが。

須田町の[勝漫]。

お、そうだ。
秋葉原になるが[丸五]。
以前はよくいっていたが、ここもいつの間にか
ミシュランに載っていた。
久しぶりに、いってみようか。

淡路町まで戻って、左に曲がり昌平橋を渡る。
[丸五]は渡った、裏通り。

すると、、。
げ〜〜、、ここもやってな〜〜い。
月曜定休であった。

万事休す。

こうなったら、意地である。
やはり、とんかつ会議に載っていたところ。
小川町の[T.dining]ということろ。

またまた、昌平橋を渡る。

そう長い距離ではないのだが、とにかく寒い。
雨もポツポツ。

こちらは小川町の交差点よりも手前の裏通り。

よかった。
灯りがついている。

名前同様、洋風、、さらにメルヘンチックな様子。

入ってみる。
ん?!

やっぱりメルヘンチックで明るく、広い店内に
先客は一人。
それもお知り合いなのか、女性店長さんと話し込んでいる。

なんとなく入りずらい感じだが、今さら後へは引けない。

ビールと特上ロースかつ、1380円也にご飯と豚汁もつけてもらう。
この価格は、都心では安い方ではなかろうか。

パン粉について粗いものか細かいものか、希望を聞かれたが、
おすすめは?と聞いて、粗い方を頼む。

ビールを呑みながら、待つ。
店内の大きなスクリーンにプロジェクターで
なにかの映画が映っている。

ちょっと不思議な雰囲気。

きた。


アップ。

 

なかなか厚みもある。

ほんのりピンク色。

塩も置かれたので最初は塩で食べてみる。

私などには本当の違いはわからないかもしれぬが、
柔らかく、うまみ十分で、うまい。
脂身も溶けるよう。

次はソース。
これはオリジナルのよう。

キャベツはやっぱり専用のドレッシングをすすめられたが
流行りか。
ちょっと見は白いフレンチドレッシングのようだが、食べやすい。

とんかつ会議の評を読んでいると、私などが気が付かない
いろいろなポイントがあった。

かつは、味、うまみ、食感はもちろん、香り、油切れ、衣の密着度合etc.。
衣がはがれてしまうのは、落第のようである。

ここのものはしっかり。

油切れも最近はこうした金網の上にのせて出されるところも
多くなっているようである。

目で見たり、食べてわかるほど脂が残っているのはさすがにわかるが
ある一定以下のものは私などにはわからない。

十二分にさっくり揚がっているのではなかろうか。

おいしかった。

ご馳走様でした。

会計をして出る。

ここはまださほど知られている店ではないのであろう。

ただ、味は有名店に引けを取らないのではなかろうか。
少なくとも私には十二分に感じられた。

ともすれば、話題性ばかり追いかけてどこかへ行ってしまいそうになるが、
もちろん、誰かさんの評価ではなく、自分がうまいと思えば
それが一番大切。それ以上でもそれ以下でもないはずである。

また、お客が入る、入らない、有名になるならない、と、
実際にうまいかどうかとは、また別のもの。
あたり前のことだが、あらためて考えてしまった。

お店や料理人が努力してうまい食い物を生み出しても
まったく別のところで決まっていることも多々ある。

TV、ミシュランの影響、、、それに加えて
瞬く間に広がり、急激にさめる、ネット全盛時代ということか。


※「東京とんかつ会議」ページに昨日までこの店は載っており
それを見てきたわけだが、なにかの都合があったのか、
今は見当たらなくなってしまっているよう。


 




T dining 

03-5577-5529
千代田区神田小川町1-6-7 竹田ビル1F

 


 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 |




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2016