断腸亭料理日記2015

すき焼き・今半本店

11月3日(火)文化の日 夜

文化の日、祝日。

今日は、すき焼き、で、ある。

浅草というところは、本当に老舗すき焼きやの
多いところ、で、ある。

その内の一軒、少し前から課題にしていたのが、
[今半本店]。

[今半]というのは今なん系統あるのであろうか。
浅草今半。浅草今半の本店は国際通り、六区の西側
にあるが、この系統が今はテナントを含めて、
都内にかなりの店舗数があるのではなかろうか。
また、駅弁などにもなっているこの店の弁当も
いろいろなところで見かける。

それから、今半別館
これは、昨年初めて行ってみた。

浅草寺向かって右側の仲見世裏、実に狭いところにあるのだが、
国登録有形文化財の数寄屋造りの建物が見事であった。

そして浅草ではないが人形町今半。
ここも各地のテナント、弁当、精肉の販売など
手広くやっている。

やっぱり、本家本元の[今半本店]にも
いってみなければ、というものである。

本店の場所は浅草新仲見世。仲見世と直交する
アーケードの通り、東武浅草駅に近いところにある。

実は、まだ若い頃、内儀(かみ)さんと
一度だけ行った記憶がある。

店を入ったところが小上がりとテーブル席。
その若い頃は、こちらであった。

この入口に近いところの席以外にも
奥に「別館」ほどではないが、座敷の部屋があることは
知っていた。
多少メニュー、値段も違うようだが、
その座敷を見てかったのである。

TELをし、奥の座敷を指定して6時に予約した。

これが新仲の入口。


提灯が下がり、昭和な感じであろうか。
格子を開けて入り、予約をした旨伝える。
この入口付近のテーブルも、そこそこお客は入っている。
この脇を抜け、奥へ。
緑の植わった中庭を抜け、別棟の奥へ。



「別館」ほどではないが、日本建築できれいにしている。

内玄関で靴を脱いで、すぐの廊下を入る。
左側がトイレ。


昔のものをはめ込んだと思われる店名入りの飾りの格子。

二つ目の菊という部屋。

柱には名前が書かれている。

隣もお客が入っている。
時折赤ちゃんの泣き声がし、家族連れのよう。



掘りごたつ式。

「別館」ほどは凝ってはいない。
簡素というほどでもないが、まあ、
静かで落ち着ける。

座敷はすき焼きのコース6,480円と、4,320円の二つのみ。
内儀さんがこの年だから、脂は少し控えようというので、安い方に。

ビールをもらい、すき焼きを始める。


浅草今半、別館なども、女性の仲居さんが焼いてくれるが
ここは男、お兄ちゃんが最初だけ、鍋に入れてくれて
あとはご自由に。

気軽でよいか。


肉もまあまあ、で、十分にうまい。
ザク(野菜などの具材の皿)のみ一人前追加する。

ご飯と赤だし。


赤だしは、豆腐となめこ。
山椒がふられているのが、ちょいと、おつ。

お兄ちゃん、聞いてもよさそうだが、聞きもせず、
肉とともにご飯も先に持てきてしまっていたので
なんとなく急かされているようで、
とっとと食べてしまった。

せっかく静かで気が置けない部屋なので、
燗酒でももらってゆっくりしてもよかった。

勘定は部屋で。
これは当然であろうが、よい。

帰りは反対に、内玄関を出て中庭の通路を通り、
表の入れ込みを抜け、店を出ると新仲見世。
入ってくる方もそうだが、この、表に出てくるプロセスも、
ちょっとよい。

さて、今半本店。

実は、歴史をみると戦前は今半御殿といって、今の別館以上の
豪華な建物であったようである。なんと地下には風呂まであり、
風呂に入ってさっぱりして、すき焼きを!、だったという。

戦争で焼けてから、今の方向になったのか。

本家本元であるのに、別館、浅草今半などの
高級路線と違って、値段といい、サービスといい、
それなりというのが、なんだかおもしろい。

ただむろん、まずいわけはなく、
十分にうまいすき焼き。

ここはここで、よい。

気を遣わず、ゆっくりできる。

今度はそのつもりでこよう。



今半本店




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