11月7日(土)夜
引き続き、ふろふき大根。
昨日は、出汁を取ったところまで。
次は大根五切れの下茹で。
これは圧力鍋。
大根は、和食ではなぜか米のとぎ汁を使って
下茹でをすることになっている。
理由は灰汁(あく)を取るということである。
大根には、例えばゆで汁に泡が出るような
灰汁らしいものはない。
いっているのは、大根らしいにおい、であろうか。
大根らしいにおいというのは、むしろあった方がよいようにも
思うのだがどうであろうか。
ともあれ。
とぎ汁のかわりに、米粒を少し入れる。
水をヒタヒタに張って、ふたをし点火。
加熱、加圧。
圧が上がったら弱火にし、5分。
火を止め放置、30分。
その間に、出汁に味をつけておく。
薄口しょうゆに酒少々。
どちらも控えめに。
念のため、味見。
OK。
大根が茹であがった。
崩さぬように気を付けながら、鍋から出しで軽く水洗い。
味付けしたつゆに入れる。
大根が五切れに対して、つゆを作りすぎてしまったが、
まあ、少ないよりもよいであろう。
一度煮立てて、火を止め味を含ませる。
大根でなくともなんでもそうだと思うが
冷める時に、味が入るという。
1時間程度、置いておく。
食べる前に味噌と大根を温め直し、盛り付け。
燗酒でもよかったが、今夜はビール。
ふろふき大根。
なんということはない食いものであるが、
うまいものである。
腹にもたまるし、なにしろ、冬は温まる。
若い頃などは、あまりピンとくるものではなかったのだが、
年を取るにつれて、こういうものの味がわかるようになってきた。
煮た大根の料理というのはいろいろとあるが、
中でも私は、今はふろふき大根がかなり上位にある。
鰤(ブリ)のアラと煮た、鰤大根。
脂と甘辛の味が染みた大根もうまいが、
それと並ぶくらいであろうか。
少なくとも、おでんの大根よりも私は上である。
いくらでも食べられる。
お替りをしてもう一つ。
次は菜飯。
ご飯の方は、土鍋で炊く。
強火にかけて沸騰させる。
沸騰したら一度ふたを取り、鍋の底からしゃ文字で
かき混ぜる。
あとはごく弱火。
水分が飛び、微かに焦げのにおいがしてきたら火を止め
蒸らし。
7〜8分。
飯茶碗に飯をよそい、塩もみをしておいた
大根の葉を混ぜ込む。
目にも鮮やか。
菜飯というのは、私は大根の葉があったときに
思い出して作るが、実際には菜っ葉であれば、
なんでもよいのであろう。
それぞれ、微妙なものだろうが、味と香りが違ってこよう。
大根の葉であれば、ほのかに大根らしい香がして
実に、そこはかとなく、うまい。
さて。
大根を入れて味を含ませたつゆ。
それも随分な量が残っている。
かの、真昆布の出汁である。
なににしようかと考えて、翌朝、乾麺のうどんを茹でて
うどんのつゆにしてみた。
味付けは、控えめにしておいたので、
薄口しょうゆを足し、塩も少し加えた。
具はなにもないので、生玉子とねぎだけ。
むろん、うまい。
しかし、元々は、最上級昆布と鰹の一番出汁であったはず。
なんだか、普通の関西風うどんつゆになってしまった。
大根の煮汁と、再利用はうどんつゆではちょっと
もったいなかったか。
今度、真昆布の威力を一番発揮するであろう、
これで吸い物用の出汁にしてみなくてはいけない。
(鰹削り節もよいものにしないと釣り合いが取れぬかもしれないが。)
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