断腸亭料理日記2015

断腸亭の出張喰い倒れ

北陸新幹線開業記念 福井

3月20日(金)昼

引き続き、北陸。

金沢に泊まって、午前中は福井県のお客さんに
訪問し、午後は大阪に移動。

福井駅からサンダーバード。

福井県の北陸線は新幹線がないので変わらずに
JRである。

金沢まで新幹線がきて、金沢の方は
これで完全に金沢も関西圏から東京圏になったと
仰っていた。

福井県の方は隣まできているのに、、
というので、とても残念そうである。

福井駅で駅弁を買って車中で食べようと思い、
名物の「鯛寿し」弁当を買う。

ん?!。

ホームに立ち喰いのそばやがある。

弁当は買ってしまったのだが、
なんだか食べたくなってしまった。

福井県は、基本そばであろう。

越前そば。

永平寺そばというのもあるのか。

おろしのぶっかけが、うまい。

え〜い、食べてみようか!。

ノーマルなかき揚げをのせたもの。



あ。

つゆが透明である。

そうか、そうであった。

今までは福井ではぶっかけを食べることが多かったのだが、
ぶっかけの場合はつゆが少ないので色は
あまり意識していなかった。
そうか、福井はそばつゆは透明であったのか。

やはり、福井は関西圏である。

色のついたつゆと透明なつゆの境は、
駅そばの場合どこなのか。

これは、なかなか興味深い話題である。

皆さんはご存知であろうか。

東海道の場合、名古屋は、そば食文化ではないが
この前食べたきしめんでも
うどんにしても、つゆは色が付いている。

つゆの色が変わる境界はどこかというと、
海沿いだと、三重県の桑名までは色付き。
同じ三重県でも桑名は限りなく愛知県に近い。

これが松坂まで行くと透明。

全駅を食べたわけではないので、断定はできないが
境はおそらく四日市と桑名の間ではないかと思っている。

東海道本線だとどうなるかというと、
こちらは岐阜駅でも食べたことはなく、わからないのだが、
大垣は透明ということも聞いたことあるのだが、岐阜駅と、
米原駅の間のどこか、関ケ原あたりが境界ではなかろうか。
まさに天下分け目の関ケ原。

北陸だと富山は色付き。

金沢駅ではそばは食べたことがないのだが、
小松駅で食べたことはあり、透明であった。
(証拠写真はないのだが。)

おそらく金沢も透明で、金沢と富山の間。
高岡がどちらなのか、ということになろうか。

東日本と西日本の境界というと、糸魚川構造線などというものもあるが
この駅そばのつゆの色というのは、意外に東西を分けるのに
わかりやすい指標かもしれない。

しかし、一駅違うだけでつゆの色が変わるというのは、
不思議といえば不思議ではある。

閑話休題。

ホームでそばを食べてしまったが
サンダーバードに乗って弁当も開けてみる。
「北国 鯛寿し」。



北国はホッコクと読むのであろう。
地元の方には当たり前のこと。
(近畿地方からみると北陸は北国なのである。)

福井というと、小浜の小鯛のささ漬が有名で
確か池波先生も好物であった。

その押しずしである。



小鯛を酢で〆るというのは春子(かすご)、
などといって江戸前鮨でも昔からあり、
普通の鯛は白身の代表だが、春子になると光物の扱いになる。

これはうまいもんである。

酢飯というのはどんどん腹に入ってしまう。

残してもしょうがないので、結局全部食べてしまった。

明らかに食いすぎ、で、ある。

 

 





 

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