8月3日(月)夜
さて。
月曜日。
やっぱり暑くて、なにを食べようか、頭に浮かばない。
辛いものというので、カレーを作ったが、、、
同じ辛いもので、麻婆豆腐?。
ん!?豆腐ならば、、冷奴?!。
冷奴でもいいなぁ。
しかし、スーパーに売っているただの豆腐では
おもしろくない。
どうせなら、根岸(鶯谷)の[笹之雪]か。
あそこまで買いに行って、、、。
そう。[笹之雪]というのは創業が元禄。
(上野寛永寺の宮様について京都からきたという縁。)
江戸時代の創業で現代まで続いている食い物やというのは、
そう多くはない。中でも[笹之雪]はかなり古い例である。
大方は、文化文政以降。
江戸創業の鮨やや蕎麦やは意外に少なく、多いのは、うなぎや。
そうである。もう一軒うなぎやではなく、[駒形どぜう]。
1801年の創業で寛政と文化の間の享和元年。
かなり古い方である。
ん?!。
そうであった。
[駒形どぜう]だ!。
真夏の食い物といえば、鍋を忘れてはいけない。
鬼平に出てくる軍鶏鍋も、あれは夏の食い物。
暑いさなかに、精を付けるために、ふうふういって食べるものであった。
よし。決まった。どぜうだ、どぜうだ!!。
大江戸線で一駅先の蔵前で降りて、北へ上がって、
バンダイ本社の隣。
真夏のウイークデーである。
一杯ということはあるまい。
格子を開けて入ると、意外や、ほぼ満席。
だが、一人くらい空いているところはある。
ここは入れ込みの大広間。
板敷に桜の長い板が奥から順に並べられ、
ここに小さな焜炉(七輪)が置かれ、お膳のかわり。
この季節は葦の敷物が敷かれている。
一番奥の壁を背にしたところに案内される。
お姐さん達も、揃いの浴衣姿。
さすがに、店の中は冷房が効いている。
座って、ビールと丸鍋!
薬味は隣のお客とシェア。
焜炉にのせられた丸鍋がくる。
基本、ここはお一人様用の鍋、ということである。
(せめて、差し向かい二人までである。)
お一人様用鍋、というのは、なにも今始まったことではない。
こうして、江戸の頃から既にあったわけである。
(基本、男一人で、外食をするというのは、もう既に普通のことで
ことにどぜうなどは、庶民の食い物で、ここ駒形の通りは
奥州街道で郊外から例えば野菜などを神田のやっちゃば(青物市場)に
売りにお百姓がお昼を食べる、というような使われ方も
よくあったという。)
ねぎを山盛りにのせて。
ねぎに火が通れば、食べられる。
これこれ。
やっぱ、夏はどぜうだよなぁ〜。
ねぎを入れてはどぜうとともに、食べる。
ん?。
これは、子持ち。
全部ではないが、子持ちのものもある。
今まで、夏にも来たことはあったと思うのだが、
当たらなかったのか、気が付かなかったのか。
めっけもの。
ふ〜。
しかし、いかに冷房が効いていても、火を抱えていれば、
涼しいわけはない。汗がしたたり落ちる。
一枚を食べて、お姐さん(ここのお姐さんはほんとうにお姐さん。
おそらく10代であろう。)に、手を挙げて、すみませ〜〜〜ん、お替り!。
食べている鍋にそのまま入れてくれる。
この動作というのか、なんともいえず、よい、のである。
実は、真夏なので、やっぱり季節のもの、鯉の洗いを
食べたかったのだが、どうにも、頼むタイミングがない。
熱い丸鍋と一緒、というのは考えずらい。
食べる順番としては、先なのだと思うのだが、
どぜうやにきて、座ってまず食べるものといえば、丸鍋以外には
考えられない。むろん、すぐに出てきて、すぐに食べられる。
従って、食べたかったのだが、頼めなかったのである。
お姐さんに、お勘定!。
座ったまま。ここはこんな、入れ込みの大広間のざっかけない店だが、
ちゃんとカードが使える。
下足の札とともに渡す。
勘定が済むと、裏に代済とあるものに変わって
戻ってくる。
どっこらしょ、と、立ちあがる。
ご馳走様でした。
下足の眼鏡のお兄さん(若旦那であろうか。)に、子持ちのことを
聞いてみると、5〜8月は子持ちであると教えてくれた。
おいしかったです。
やっぱり、真夏のどぜう。
よかったよかった。
元浅草までぶらぶら歩いて、帰宅。
駒形どぜう
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