断腸亭料理日記2015

普通の朝飯

4月19日(日)朝

たまにはこういうものも書いておこう。

日曜日、朝。

昨日の肉うどん(肉吸い)で大量の出汁に使った昆布が
出てしまった。

これをまあ、さすがに捨ててしまうのはもったいない。
なにかにしなくては。

いつもは酢としょうゆで煮詰めて、塩昆布に
するのであるが、もらい物だが大阪淀屋橋の
[神宗(かんそう)]という老舗の高級品が冷蔵庫にある。

同じようなものをたくさんあっても仕方がない。

どうしたものであろうか。

このまま昆布巻きなのか、わからぬが、煮物にしても
よさそうなのだが、今一つピンとこないので、
酢の物というのか、酢漬けというのか、を考えた。

めかぶ(わかめの根本部分)などは細く切って
酢の物にするが、あれはうまい。

あまりしないのかもしれぬが、だしがらの昆布でも
細く切って酢に漬けたらと考えた。

ともかくも、だしに使った昆布を
全部細くざくざくと切る。
これにポン酢しょうゆ(ご存知の「味ぽん」)を
かけて置いておけばよいか、とも思ったが、
これはこれで、芸がないか。

酢だけ。

いや、それでは味が足らぬか。
塩も。
シンプルにこれでいってみようか。

これにさらに火を入れてももよさそうだが、
とりあえずこのまま漬けてみる。

とまあ、こんなものを土曜の夜に作っておいたので
これで朝飯を食おうというのが、今朝のこと。

朝起きて、飯がないので米を研いで水加減をして
浸水をしておく。

例によって今日も土鍋で炊いてみようか。

それまで使っていたホーローの鍋よりも
具合がよさそうである。

おかずは、塩鮭でよいか。

冷凍庫で凍っている。

つゆは味噌汁か。

そう。

昨日、肉吸い用に作ったつゆがある。
あれを使おう。

それから。

うん。

やはり、昨日の肉吸い用に買った分葱(わけぎ)がある。

ねぎだけで、簡単にぬたを作ろうか。

これだけあればよいだろう。

鮭は解凍をしておく。

米の浸水は一時間ほど。

料理は段取り。
どこからするか。

ぬた。

分葱は5cm程度に切って、太い白い部分は
半分に切る。

薬缶に湯を沸かし、ざるに並べ熱湯をかける。
様子をみながらなん度かに分けて。

いい感じに熱が入ったら、冷水に入れ冷やし
ざるにあげておく。

酢味噌は白味噌に和辛子を少し加え、酢で伸ばしスタンバイ。

次に土鍋の飯炊き開始。

鮭も焼き始め、つゆの準備。

実は、ストックしてあった舞茸と分葱も。
味は付いているので火が通れば終了。

飯も炊けてきた。
蒸らし時間は10分弱。
これはタイマーで計る。

鮭が焼けたら、それぞれ盛り付けて、
出来上がり。


鮭はともかくとして、昆布。

一晩酢に漬けただけであるが、それなりに
よい具合である。

火を入れていないので歯応えもあり、
これもありである。

ぬたもねぎだけだが、朝飯としては十二分。

つゆは、うどんに合わせたので、いわゆる澄まし汁
とすれば、ちょっと濃いめの味付けではある。

ともあれ。

なかなか充実の朝飯であった。






 


 

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