断腸亭料理日記2014
1月14日(火)
相変わらず、寒い日が続いている。
少し前にもあったような気がするが、
今日は、グラタンが食べたくなった。
いや、正確にいうと洋食が食べたいと思いつき、
こう寒いと、温かいグラタンだ、と、いうことであった。
私が最もよく行く、気軽に行けるといってもよいかもしれぬが、
洋食やは、浅草六区の[ヨシカミ]、で、ある。
うまいことはもちろんだが、
夜の早い浅草では珍しく10時までやっており便利であるし、
また、居心地がよいのも大きな理由である。
ただ洋食やというのであれば、帰り道の上野にもきれいで
新しいところがあるが、やっぱり味も雰囲気も
浅草の洋食やにはかなわない。
[ヨシカミ]は戦後すぐの創業で老舗といってよろしかろう。
上品でもお洒落でも真新しくもないが、独特のにおいと、活気があって
これがよい、のである。
私の降りる新御徒町でTXに乗り換えて、一駅。
TXの浅草駅で降りる。
つくばエクスプレスの浅草駅というのは、従来からある
東武や地下鉄の浅草駅のある吾妻橋そばではなく、
国際通り沿いのいわゆる六区にある。
TXの地中深いホームからあがって、
寒いので地下道経由でROXの地下に入り、
エスカレーターで1階にあがり、外へ出て[ヨシカミ]までくる。
ドアを開けて入り、一人、と、いって、カウンターに座る。
この店は創業当時、カウンターだけの小さな店であったというが
今でもカウンターの向こうはすぐ調理場で、職人達が忙しく
立ち働くのが目の前に見える。
背の高いスツールに腰掛けると目の前にいるサンドイッチを作る
お兄ちゃんがメニューを手渡してくれる。
寒いがやっぱり瓶ビール。
それからマカロニグラタン。
池波先生などはとんかつなどにも日本酒を呑まれていたというが
やはり燗酒でグラタンは食べられなかろう。
そして、いつものチキンライス。
ここに限らず私は洋食やでは好物のチキンライスを頼むことが多いが、
ここではまず、外せなかろう。
下町らしいというのか、濃い味付けの
ここのチキンライスはうまい。
グラタンと一緒では、ちよっと量が気になるが、
やはり、チキンライスも頼もう。
グラタンは少し時間がかかるとのことで、出す順番を聞かれたが
それぞれでき次第出してもらうことにする。
ビールと一緒に出されるかき餅をつまみながらビールを呑む。
私のらしき、チキンライスの調理が始まるのが見える。
待つほどもなく、チキンライス。
ケチャップの色がついているのでわかりずらいが、
これ、玉子も入っている。
いつも通り、うまい。
そして、マカロニグラタン。
表面はチーズで、こんがり香ばしく焼かれている。
バターもたっぷり使っているようである。
ベシャメルソースの味は?。
う〜ん。
難しいものである。なにか物足りない。
マカロニグラタンは長年自分で作るっているせいか、
自分の味付けの方がスタンダードになってしまっている
のかもしれない。
そういえば、マカロニグラタンはどこの国の料理、
なのであろうか。
フレンチ?イタリアン?。
グラタンというのはオーブンなどで焼いて表面を焦がしたもの、
という意味であろう。イタリア語でもフランス語でも
グラタンであろう。
マカロニなのでイタリアンであろうか。
ベシャメルソースにショートパスタのこういう
“グラタン”は料理として“ある”のであろうが、
一般的なものなのか。
王道、スタンダードなマカロニグラタンとは
どんなものなのか。
いやまあ、そんなことよりも、自分がうまいと思うのが
スタンダード、で、よい、のか、、。
そうかもしれぬ。
そうそう、そうであった。
資生堂パーラーのベシャメルソースで
マカロニグラタンというのもきっと、うまいであろう、と。
(メニューにはなかったっけ。)
ともあれ。
腹一杯。
喰いすぎか。
御馳走様でした。
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