断腸亭料理日記2013
9月16日(月)第二食
引き続き、月曜日。
台風は、予報通り足早に通りすぎて夕方には雨も風もおさまってきた。
床屋ついでに御徒町に自転車で出る。
街路には台風の風で引きちぎられた木の枝や、葉っぱが
たくさん落ちている。
東京は風は強かったが、雨はさほどのことはなかった。
仲御徒町のQBで髪を切って、魚を見ようと[吉池]に寄る。
台風のせいでいつもの休日よりもやはり人はまばら。
魚売り場を一渡り見てまわる。
目にとまったのは、すみいか。
小ぶりなものが四杯で、300円ちょい。
すみいかといえば、江戸前の鮨や天ぷらの定番。
ただ、すみいかというの名前は東京だけ。
全国的には、甲いか。
東京では昔からスミを落とさずスミまみれで
売られている。だからすみいか。
すみいかは、新いかといって、夏に出てくるものが
江戸前の鮨やでは人気で、鮨好きはたのしみにしている。
売っていたものは熊本産とある。
もうこの時期では、新いかとはいえないかもしれぬが
まだまだ柔らかくてうまいだろう。
自力で、にぎりの鮨にしよう。
にぎり鮨を作るのであれば、まぐろ中トロなどもよい。
[吉池]は(あまり書いていないと思うが)マグロも
充実している。
サクのものは高いのだが、切り落としのようなところは
中トロでもけっこう安く売っている。
にぎりの種になりそうなところ、数切れ入っているのものにする。
これも300円程度。
売場から、自宅にいる内儀(かみ)さんにTELを入れ、
米を研いでおくように頼む。
帰宅。
米が十分に浸水するには1時間は必要であろう。
1時間、待つ。
待ちながら先に、すみいかをさばく。
すみいかはもっと大きくなる。
獲れるところによっても違うのであろうが、
産卵間近の初夏近くになると、東京に入ってきているもので、
20cm近くにもなるのではなかろうか。
5cm程度の、かわいい大きさ。
下足を持って引き抜き、腹も出し、きれいに洗う。
甲羅を外し、小さなエンペラ部分をきっかけに
表側の皮をむく。
裏側の皮はむきにくい。むけるところだけむく。
小さいので一杯で、にぎり二個分か。
広げたものを半分に切っておく。
四杯完了。
半透明で薄く、柔らかい。
一先ず、ラップをして冷蔵庫へ。
ここから飯を炊く。
急いでいるので、電気炊飯器ではなく、鍋で炊く。
いつものようにホーローに透明なガラスの厚いふたの鍋。
最初は高火力で沸騰させる。
吹いてきたら一度火をとめ、ふたを取り、杓文字で上下
よく混ぜる。
ここからはごく弱火。
拙亭のガスコンロには大中小の三つの五徳があり、その一番小さな火力のもので
さらにそれの最弱火にする。
水分がなくなって、焦げができる寸前まで。
止め時は、焦げるにおいがしてきたら。
火をとめて、蒸らし時間は7分。
これはきちんとタイマーで測る。
どうも気がせいて、いつも早めにふとを取ってしまうので、
私の場合はタイマーが必須である。
その間に鮨酢、一合分、40ccを用意。
今日は、米酢に気持ちみりんを入れてみた。
ちょっと、赤酢のイメージである。
江戸前の鮨は発祥当時は赤酢という酢を使っており、
今でもこだわる鮨やでは使っている。
多少色が着くのと、コクが出るような気がする。
赤酢というのは、今はともかくとして、その当時は
原料は酒粕なので、酢としては安いものであった。
蒸らしの終えた飯を一合分ボールに取る。
鮨酢を全体にちらし、すぐに杓文字で切るように混ぜる。
全体に行き渡ったら、混ぜるのはストップ。
混ぜすぎると、粘りがでてきてしまう。
そして、ここも、待ち。
粗熱が取れる前に握り始めてしまうと、混ぜすぎ同様、
粘り気がでてきてしまう。
待ち時間は、この季節なので、10、15分以上は
必要であろう。
じっとがまん。
途中だが、今日はここまで。
つづきはまた明日。
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