断腸亭料理日記2013

リエット

5月19日(日)

リエット、で、ある。

パリで、バケットにはさんだリエットを食べてうまかった
のであるが、リエットを、作ってみようと、思い立った。

東京のフレンチでもなん度もリエットは食べたことはあった。

会社の近所、よく行った牛込界隈の町のフレンチでも
定番メニューであった。
よく食べたのはなぜだか鴨のもの。

新宿区新宿区矢来町のブラッスリー・グーのもの。

調べてみると、豚のものが最もオーソドックスのよう。
パリで食べたのもおそらく豚であったろう。

リエットとは、ようは脂の多い肉を長時間煮崩して固めたもの、
なのであろうという理解であった。

カロリーは高そうだが、うまいものである。
が、ちょっとお洒落なフレンチレストランで食べるもので、
作ってみようとまでは思ったことはなかった。

しかし、パリのカフェで、ボソボソと無造作に割った
バケットにはさんでマスタードを塗って食べるというのも
むろんうまいし、ちょっと粋で、よいものだと、
思ったのではある。

レシピを調べてみると、時間は少しかかるが、
さほど難しくはなさそう。
豚肉と玉ねぎなどを炒め、煮込み、柔らかくなったら、
フードプロセッサーで潰すという。

やはりリエットのオーソドックスなものは豚肉。
ロース肉あるいは、バラでもよいようである。

ロースの塊を買ってくる。(ハナマサで800円程度のもの)
この他には、ベーコン塊、玉ねぎ、にんにく、白ワイン、
ローリエ、タイム。タイムは生のものだが、これはなし。

ロース肉は一口程度に切って軽く塩をしておく。
玉ねぎは1個、ざく切り。にんにくは3〜4個、つぶしておく。
ベーコンは香りと旨みをプラスする効果であろう。
スライスではなく、切り落としのようなものを買ったのだが、
角切りのまま。

鍋にオリーブオイルを入れ、にんにくを香りが出るまで炒める。

肉を入れ、焼き目を入れる。
これがうまみを出すポイントという。
(ちょっと手間。)

肉に焼き目が入ったら、玉ねぎを入れ、さらに炒める。
しんなりしたら、ベーコンも入れる。
ベーコンが底にくっつくようになるまでが目安のようだが、
水分が少なくなっているので、すぐにくっつく。

白ワインを入れ、アルコールを飛ばし、煮詰める。

煮詰まったら、ひたひたに水を入れ、ローリエ、黒胡椒を入れ、
煮込む。

1〜2時間という。

目安は、押せば簡単にほぐれるくらいなのであろう。

1時間ほど。

玉ねぎなどほぼ形がない。
いいかな?。

ただ、随分と色がついてしまった。
うまさのポイント、などと書いてあったので、玉ねぎもふくめ
色が付くくらい炒めているので、こんな感じ。

ローリエの葉っぱを取り、
この段階で、脂とその他で分ける、という。

肉は、フードプロセッサーはないので、すり鉢でつぶす。

肉の繊維がなくなってしまうほどにつぶしてはいけないのであろう。

適当なところでやめる。

もとの鍋に戻し、分けておいた脂と合わせる。

と、、、手が滑って、脂を分けていた器をひっくり返してしまった、、。

すぐに元に戻したが、1/3程度はなくなってしまった。

脂を鍋に戻す。

やはり、ちょっと脂が少ない感じ。

冷蔵庫にラードがあったので、レンジで温めて、加える。

よく混ぜて、一応の出来上がり。


鍋のままだととても人の食べるものとは思えない。

色が濃いのは、先の炒めた時間が長かったのと、
まだ温かいので脂が溶けており、それも影響している。

まずは、このまま、マスタードをつけて、味見を兼ねて、
食べてみる。
むろん、ビールと。

おお!。

見た目はこんな感じであるが、なんのなんの、
うまいではないか。

それなりにリエットの味になっている。

味は、白ワインを入れたぐらいで、あとは塩胡椒、ローリエと、
変わったものは入っていない。

色は濃いが、よく炒めたのが旨みを出すことに
なっていたのかもしれない。

プロであれば、専用の型に入れて冷やし固め、
切って出すのであろうが、家で食べる分には、
このままでよかろう。

プラスチックの容器に移し、冷蔵庫へ入れておく。

冷えるとこんな感じ。


まあ、これでも十分色が濃いようだが、味は上々。

マスタードも折角なので、フランスのデジョン(Dijon)のものでも
あればもっとお洒落なのだが、普通のもの(ホットドックなどに使う、
アメリカ系の辛みの少ないもの)でも十分。

ビールでもワインでもこの肴は、放っておくといくらでも食べてしまう。

やはり高カロリーである、気を付けねば。

 


 

 


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