断腸亭料理日記2012
4月22日(日)
明けて、日曜日。
昨日の鰹半身。
これをどうしようか、で、ある。
むろん、まだ刺身、あるいは、今度はたたき、
でもよいのだが、ちょいと、思い付いた。
カツ!。
お気付きの方もあるかもしれない。
TVのCM、で、ある。
サッポロビールの『麦とホップ』で田村正和と仲間由紀恵が
やっているあれ。
あれで、この週末は、初鰹のカツ、というのをやっており、
高温ですばやく、が、コツ、などといっていた。
やってみようではないか!。
で、第一食、初鰹のカツ。
骨がまだついているので、出刃で外し、
昨日同様、縦半分にサクにし、さらにそれを
揚げやすいように、半分(全部で4つ)に切っておく。
揚げるのは3切れにしよう。
1切れは残して茹でて生鰹節(なまりぶし)にする。
揚げ油を用意。
余熱開始。
衣はとんかつ同様でよいだろう。
ボールに氷を2個ほど入れ、玉子を割りほぐし、
水を加え、よく混ぜておく。
四つの切り身に小麦粉をまぶす。
パン粉を平たい容器に入れ、スタンバイ。
玉子冷水に小麦粉を合わせる。
とんかつ同様なので、私の場合、少し硬め。
小麦粉をまぶした切り身を衣に潜らせ、パン粉の容器に。
とんかつの時にも書いていると思うが、
この作業は、竹串を刺して使うと、手が汚れない。
三つ、パン粉まで付ける。
油温を見る。
高温ですばやく、中は半生、ということ。
薄く煙が上がる寸前まで、上げる。
衣を落としながら、確認。
(確認したら揚げかすはすくっておく。)
OK。
投入。
目安は1分くらいであろうか。
天ぷらで、いかを揚げるときは、1分以内と、
考えて揚げている。
ひっくり返しながら、1分数え、あげる。
3個、揚げおわる。
試しに、切ってみる。
ふむ。
中は半生にはなった。
あ!。
忘れた。
衣をつける前に、塩をしておくのであった。
これを食べるには、ソースやタルタルソースではなく、
やはり塩であろう、と。
で、あれば、揚げる前にしておいた方がよいと、
考えたのである。
まあ、よい。
付け合せは、レタス。
塩は添えた。
さっくりは、揚がっている。
味は?
う〜ん。
まあ、それ以上でもそれ以下、でもない、か、、、。
鰹というのは、火が入ると、ご存知の味、にしかならない。
そう、シーチキン、で、ある。
これは、半生、でも同じ。
いや、断っておくが、別段、まずくはない。
生の鰹が、いまひとつな、うちの内儀(かみ)さんなどは、
おいしいじゃない、と、いっているくらい。
そう。
まずくはないが、これ、初鰹でなくともなんらかまわない。
半生は、多少柔らかいくらいで、火をしっかり通しても
実際はあまりかわらないような、気もしてくる。
CMにやられた、か。
(たたき、にしておけばよかった。)
さて。
気を取り直して、次は、夕方。
煮穴子。
これは、にぎり鮨にしようと考えた。
煮穴子というものの、最もうまい食い方、というのは、
にぎり鮨にとどめを刺す。
(百歩譲って、酢飯に載せる、あるいは混ぜ込んだ、
ちらし寿司。)
江戸前のにぎり鮨の中で、最もうまいものを
挙げろ、と、いわれれば、穴子と小肌、と、迷わず答える。
穴子と小肌のないにぎり鮨など、考えられない。
まぐろトロのにぎりもむろん、うまいが、
あれは、トロがうまい、のであって、にぎりのトロが
うまいのではない。
穴子と小肌のにぎりは、にぎり鮨の中で、最も
完成されたもの、だと私は思っている。
小肌にしても、穴子にしても、酢飯とにぎって初めて、
うまくなるもの。
以前に、NHKで、やっていたが、にぎり鮨、というのは、
酢飯とにぎる、ということで、アミノ酸の量が増える
というのである。
つまり、別々に食べるよりも、あれだけのことで、
味が変わって、うまくなる。
握った方が一口で食べられる、という利便性だけではないのである。
その中でも、小肌、煮穴子はその差が最も大きいように
思うのである。
と、いうことで、また明日。
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