断腸亭料理日記2011

キッチン南海・蔵前四丁目

6月25日(土)第2食

土曜日。

昼前、蔵前にちょいとした用があり、
自転車で出る。

先週から、急に30℃を越える日が出始め、
今日も曇ってはいるが、蒸し暑い。

短パンに白いポロシャツ、足元は雪駄という
また、いい加減な格好。

用足しの先は、浅草税務署の近所。

春日通りから、厩橋の手前、
蔵前通り(江戸通り)を右に曲がり、路地を左手に折れる。

このあたり、昨年の『講座』でも歩き、一度、細かく書いた。

蔵前通りと隅田川の間は、江戸期ご存知の幕府の米蔵、
浅草御蔵のあったところ。

過去には蔵前国技館があったり、今書いた、税務署やら、
今でも公共系の施設が多い区画ではある。

出たついでに、昼飯を食おうと考えていた。

ここには、ラーメンやの、元楽と、
ぶためしの「うすゐ」がある。

元楽は、今ではチェーン店化しているが、
できた頃、ここに一度入ったが、どうも味が馴染めず
それっきり。

用足しを終え、再び蔵前通りに戻り、
店の前を通ると、うすゐは、休み。
ここは土曜休みであろう。
(調べたら、第2第4土曜休み。)

なにがよかろうか。

ラーメンなら家系の寿三家、もあるが、
ラーメンよりは、カレーが食べたいなぁ、
と、考えつつ、裏路地を抜けて、国際通りの交差点まで
出てきた。

おお、そうであった。

キッチン南海

この春日通りと国際通りの交差点には、寿三家の向こう側には

とんかつのすぎ田、も、ある。

キッチン南海というのは、ほんの小さな
洋食や、ではあるのだが、確か、ラーメンの寿三家の
の1〜2軒、交差点寄りにあった。

それが、この1〜2年のことであったか、
国際通りの反対、南側のビルの一階に移転していたのだが
新しくなってからは、きたことがなかった。

ちなみに、以前の場所は、寿であったが、
春日通りの南は、国際通りの西側も、町名は蔵前。
蔵前という町名は本来は、先に書いた、浅草御蔵の
前町で、札差などが軒を連ねていた、御蔵前片町から
始まっているが、今は意外に広いのである。

交差点を渡って、店の前に自転車をとめ、
きれいになったキッチン南海。

歩道に白地に緑色のきれいな看板も出ている。

ここは土曜もやっているはずであったが、
以前同様、店を開けている。

前の店は、お世辞にもきれいとはいえなかったが
ビルに一階に入り、まだ、真新しい。

昼時で、先客も3〜4人。
やはり、近所の人であろう。


カレーと、フライもの、のみ、と、いってもよい。
フライものとご飯の定食を食べている人もいるが、
私は、カツカレー(チキン)、630円也。

この種の、洋食や、というのか、キッチン、というのか、は、
前にも書いたが、東京にはたくさんある。

キッチンジローだったり、カロリー、だったり、
チェーンでもあるのであろう。神田神保町がどうも
発祥のようだが、学生、サラリーマンのガッツリ系、
昼飯の店。

なかでも私は、ジローやカロリーよりも、
この[南海]が、好み、で、ある。

ジローや、カロリーは、そこらじゅうにあるが、
どうも、この[南海]は、そう多くは見かけない。
知っている限りでは、両国にあったはずで、
ここも味のある店であった。

店はきれいになったが、作っているお父さんも
運んでいる、お母さんも変わっていないようである。

愛想のあるような、ないような、自然体というのか、
ちょっとばかり、不思議な感じがするのも、
この店の味、で、あろう。


チキンカツカレー。

普通の豚のカツカレーではなく、チキンにしたのは
さほどの意味はないのだが、多少、身体によいか、
というくらいのもの。

キャベツも添えられ、味噌汁も付く。

カツカレーは、なん度も書いているが、私の
好物の一つ、といってよいだろう。

カレーにカツをのせたもの、ではあるが、

これがなかなか、むずかしい。

当たり前の話ではあるが、どこでも同じ味ではない。
カレーの味も違えば、カツの味も違う。

やはり、カレーや、ではなく、このような、
洋食系、というのか、キッチン系、というのか、
こういう店のものが、どうも、うまいようである。

カツカレーは、銀座の洋食や、スイスグリルが発祥。
カレーではなく、洋食のメニューなのであろう。



ともあれ。

うまかった、うまかった。

満足、満足。

勘定をして、

「御馳走様でした〜」。






台東区蔵前4丁目31−10
03-3861-9266



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |

2009 12月 | 2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 |

2010 7月 | 2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2010 12月 |2011 1月 |

2011 2月 | 2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2011