断腸亭料理日記2011

鶏骨付きもも 二品 その2

ロースト

12月11日(日)

さて。

しつこいようだが、鶏の骨付きもも肉。

昨日、12月になると、などと書いたが、
これはクリスマスには鶏の足、というイメージがある
ということではある。

子供の頃なども、肉やの店先で、機械で
ぐるぐる回しながら、電気のグリルのようなものであったのか、
焼いているのを母親が買っていた記憶がある。

今では、鶏の足くらいでは、子供は喜ばないだろうが、
当時は、クリスマスというイベント性もあって、
ウキウキするものであった。

こんな記憶があるからであろう、
今でもどうも、うまそうなもの、で、ある。

冷凍庫には、まだまだ、鶏の足はある。
よし。
ローストも作ってみようか。

どういう焼き方がよいのか。

オーブンではなく、グリルであろう。
拙亭のオーブンレンジにもグリル機能はあり
これでも焼けるとは思われるが、あれはどうも
時間がかかる。

ちょいと、調べてみると、フライパンで焼く、
というのも出てきた。
(これ、別段裏技のようなものがあるわけでなく、
時間をかけてじっくり、というものであったが。)

フライパンで焼ければ簡単である。

まずは、塩をし、よく揉み込む。
これで、2時間以上置く、とのこと。

骨付きは、火を通すのも時間がかかるが
味も染みにくい。

昼前から、置いておいて、2時前、焼き始める。

フライパンはテフロンのもの。

最初、皮側から、ふたなし、中火程度で焼き始め、
こんがり焦げ目をつける。

焦げ目はついたのだが、表面の様子をみても
まだまだとても中は火が入っている気配がない。

やはり、ふたは必要であろうと、思い直し、
ひっくり返し、ふたをする。

ふたをするとむろん、蒸らされるので
火は通るが、湿気で、表面のこんがり感がなくなる。

一度、中まで火を通してから、もう一度
ふたを取って、こんがり感を出す、で、どうであろうか。
ふたなしでは、時間がかかってしかたがない。

ふたありで、そこそこ火を通し、ふたを取って、
竹串を刺してみる。

あ〜、まだだ。

串を刺して、完全に、血の色がなくなるまで、
なん度も様子を見ながら、ふたをして焼く。

結局、ふたをして、15分はかかったであろうか。
やっとどうにか澄んだ肉汁が出てくるようになった。

ここから、もう一度、強火にし、こんがり感を
目指す。

OK。

一度、フライパンから出して、ソース作り。
レシピでは玉ねぎ、にんにくのすり下ろしを
あめ色まで炒めて、酒、しょうゆ、砂糖で味付けし、
絡(から)める、というもの。

ソースを絡めてしまうのであれば、こんがり感は
あまり関係ないか、と、思いつつ、すり下ろしを炒める。

量は、玉ねぎ1/4個、にんにく1かけらと、全体でも少量。

面倒なので、ちょいと強火で炒めたら、
あっという間に、あめ色を通り越してしまった。

慌てて火を止め、酒、しょうゆ、気持ち砂糖。
軽く煮詰めて、鶏を戻し、絡める。

できた。


ん!。

最初の塩が多すぎたか。

ん?
そうでないところもある。
ムラになっているのか。

どうもそのよう。
が、全体とすれば、まあまあ。

ソースはなかなかうまいし、食えるものには
なっている。
(最初、頭に描いた子供の頃に食べたローストチキンとは
まったく違うものにはなってしまったが。)

いや、しかし、で、ある。

以前にも、鉄のフライパンにくっつく、なんというのと
格闘をしたこともあったが、やはり、フライパンで肉や魚を焼く、
というのは、実はとても難しい。

こういう火の通りずらいものは特にそうである。

ただ、火を通して、食べられるものにする、というのであれば
簡単、誰でもできることかもしれぬが、うまく焼く、となると
なまなかなものではない。

プロの方は、むろんなん度もやって、こうすればうまい焼き上がりになる、
というのを、肌で会得されているのであろう。

最初の塩加減から始まって、火の強さ、時間、
ふたをする、しない、などなど。
また、焼いている途中の見た目、表側から見て
このくらい火が通ったら、中はどの辺まで火が通っている、
というようなこと。

やはり、なん度もやって体得するしかないのであろう。

あたりまえだが、洋食も奥が深い、、、。






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