断腸亭料理日記2011
4月23日(土)第一食
昨夜は、京香房で買ってきた、中華を
全部ではないが、あらかた食べ尽くしてしまった。
やはり、ちょいと、食べすぎ。
そして、ビールを1本、呑んでだけだが、
一週間の疲れか、そのまま寝てしまった。
それなりに、早く目が覚めたのだが、
そんなわけで、あまり腹も減らず、朝飯を
食べようという気になったのは、
内儀(かみ)さんが起きてきた、9時前。
思い付いたのは、ざるのそばや、うどんの、
生玉子かけ。
これは、実は、池波レシピ。
エッセイの『ル・パスタン』に書かれているし、
『剣客』にも確か“おはる”が、器用に、ざるの上で
生玉子をそばにまぶす、というのが、書かれていた、
と、思う。
以前に、真似をしてやってみた。
あまりきれいでもなく、上品でもないが、
随分と、うまいもの、で、あることがわかった。
昨日の食べすぎで、腹がもたれているが、
こういうものなら、するっと入るし、
今日などもだいぶ暖かくなってきたので、
ざる、の、気分、で、ある。
以前よくいったように、千束のねぎどん、の、ような、
外の路麺(立ち喰いそば)までいって、
やってもよいのだが、、、。
残念ながら、今日は、そんな元気はない。
乾麺を茹でて、やろう。
台所の戸棚をみてみると、
あれま、蕎麦の乾麺は切れている。
うどんはある。
うどんにしようか。
玉子かけ、は、うどんでも、なんら問題はないだろう。
鍋に湯を沸かし、乾麺の讃岐うどんを、一把、茹でる。
讃岐うどん、といっても、スーパーに売っているもの
なので、ちゃんとしたものではない。
太さも、うどんというには、細いもの。
茹で時間が7分と書いてあったが、途中で堅さをみて、
早めにあげて、冷水でよく洗い、ざるにあげておく。
池波先生は、この玉子かけ(玉子まぶし)のうどん・そば、
に加えて、おろした大蒜(にんにく)をつけ汁に
入れて、というのもやっている。
これも、やってみると、うまい。
くせになるうまさ、で、ある。
今日は、これもやろうか。
おろしてつゆに入れると、すべて、大蒜の味になってしまうので
かけらを、かじりながら、食べてみよう。
一かけら、半分に切って用意。
盛り付け用のざるを用意し、うどんを
並べる。
ざるへのうどんやそばの盛り付け方は、
ご存知であろうか。
ただそのまま載せても、まあ、問題はないのだが、
見た目のきれいさと、箸でつまみやすい、この二点で、
お勧めする。
拙亭のざるは、下の写真のように長方形のため
長方形の場合の盛り付け方、ということにはなる。
どうするかというと、適量、これは一箸でつまめる量、
を指で真っ直ぐにつまみ上げ、麺線の方向を揃える。
これは、右手の指でつまみ上げるが、この状態で
大方揃うが、足りなければ、左手の指で、揃える。
そして、つまんでいる右の指をざるの左側に置き、
麺をのせ、真っ直ぐに右側に長く、麺を整える。
おわかりになろうか。
どうも、こういう動作を、文章で表現するのは
至難、で、ある。
まあ、これを繰り返して、上に重ねていくのである。
この上に、生玉子を落とす、、、、
うわっ、、、落っこちそう、、。
そ〜っと、お膳まで、運ぶ。
“おはる”が器用に混ぜていたのだが、
これは、難しそうだが、まあまあ、できる。
大蒜をちょいと、かじって、玉子をまぶした
うどんを、すする。
なんということはないが、
うまいもんである。
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