断腸亭料理日記2010
5月1日(土)第二食
私にとっての、連休初日。
毎年そうなのだが、ゴールデンウイークには
どこへもいかない。
基本的には、元浅草の自宅にいる。
月がかわったので、もう既に今月なのだが、
次回の講座の準備をしなくてはならない。
(講座そのもの中身についての詳細は、
基本的にはここには書かない、つもり、で、ある。)
次回は、以前にも書いたが、末広町の花ぶさ。
で、どのあたりを歩くのかというと、
あのへん(?)。
で、その下調べに、集合場所まで行き、予定している
ところを実際に歩いてみなくては、と、出かけた。
12時半ごろから、歩き始め、歩くルート、
観るものなど、確かめながら、で、ある。
第一回は、まさにご近所、元浅草から、西浅草界隈を
歩いたので、勝手知ったるところ。
別段下調べをすることもなく、済んだ。
今回は、むろん、知らないところではないが、
隈なく歩きまわってみると、想定していた通りのもの、
そうでないもの、新たな発見などあり、おもしろかった。
シナリオを考えながら、末広町の交差点までくる。
ご存知の通り、末広町は、今はもはや秋葉原、
で、ある。
連休とあって、そうとうに“アキバな人々”が出ている。
腹が減った。
ラーメンでも食おうか。
このあたりも、ラーメンやが、増えた。
どうであろうか、5〜6年前であれば、この界隈で、
比較的有名なラーメンやといえば、そうはなかったはずである。
(以前は、じゃんがら、くらいか。)
そんな中で、蔵前橋通り沿いにある、がんこラーメン。
長らく、入っていなかったのだが、
ちょいと、覗いてみようか、と、思い立った。
がんこラーメンというのは、どのくらい前であろうか。
少なくとも10年以上?、そう、私がまだ、名古屋に転勤をする前、
で、あるから、15年以上前、であろう。
(この日記は、名古屋転勤時から書き始めたので、
その頃のことは、むろん、書いていない。)
看板もなく、電話も公開せず、黒い店構えに
営業をしている時には、骨を店の前にぶら下げる、
という変わったラーメンやとして、話題になった。
当時、店があったのは早稲田。
もう既に、暖簾分けをされたお弟子さんの店も
なん軒かあったと思われるが、創業者、がんこ家元の
一条さんの店が、早稲田にあったのである。
オフィスから、さほど遠くもないので、
出かけて行って、食べていた。
髭面(ひげづら)の仙人のような風貌。
がんこ、というが、優しげな、人であった。
店の中には、この店のテーマである、三カ条が
貼られている。
スープは熱く、濃く(塩辛く)、麺は堅く、の三カ条。
それ以来、魅かれて、当時住んでいた、
葛飾の四つ木の近所、青砥にあった六代目、
など、いってみた。
(これらの店は、今はもうすべて移転やら閉店でなくなっているよう。)
ここ、末広町の店も、過去なん年も前に、1、2度
きたことがあった。
しかし、他のがんことは異なり、女性(小母さん)が
仕切っており、なにか、馴染めない雰囲気で、
いかなくなっていたのである。
入ってみると、左に券売機。
カウンターの中は、小父さんと若い男性の二人。
変わったのかな?
こってりのしょうゆ、の券を買い、あいている奥の席へ。
昼から少し時間がすぎているが、ほぼ満席。
少し待って、出てきた。
がんこの特徴である、薄いばら肉の柔かい煮豚。
堅めの黄色い細めん。
が、しかし、、、スープがぬるい。
これは看板に反する、といってよかろう。
味は塩味の強いもの。これは看板通り。
しかしまあ、総じて、私には懐かしいがんこラーメンと
いってよかろう。
こってりとはいえ、昔に比べると、もっとこってりしたもの
が一般的になっている今、むしろ、おとなしいかもしれない。
スープはさすがに飲み干せず。
今、元祖がんこ、髭仙人の一条さんは池袋の方で
店をやっているようである。
今度、久しぶりに、訪ねてみようかしら。
千代田区外神田3-7-8
03-3253-1766
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