断腸亭料理日記2009
8月30日(日)夜
午後、ラフティーを作ろうと、思い立つ。
ラフティーとは、沖縄風の豚角煮、で、ある。
初めて作ったのは、99年
名古屋に単身赴任をしていた頃であった。
もう10年も前。
35〜6の頃。
遥か、昔のような気がする。
この日記も始めたばかり、落語も名古屋から、
志らく師の塾に通っていたり、、。
仕事の内容は随分とかわったが、
自分自身は、あまりかわっていないような
気がする。
外資系などは別だろうが、
40代というのは、おおかたの日本の企業のサラリーマンに
とっては、そうとうに、重要な時期、なのであろう。
弊社などでもそうだが、50歳を超えた時点で、
ほぼ、その後の十年が決まる。
この時点で、ある程度のポジションになっていなければ
役職定年、なんという制度もあり、その後は、ない。
(むろん、すぐにクビになることはないが。)
このため、40代、私などは今年は46になり、
もう後半に入ったが、どれだけのことをしているのか、
ということ。今は、それを尽くす。
そう考えている。
仕事はまあ、そんなことなのだが、
もう一つの私である、この日記を書いている、
断腸亭、と、して。
これが、あまりやっぱりかわっていない。
断腸亭として、なにがしたいのか。
落語もしたいのだが、
やはり、もう少し仕事に余裕ができないと、むずかしい。
それでも、今は、できるだけ、
本だけは読むように努力はしているのでは、あるのだが。
(50をすぎたら、断腸亭一本。
そういうのも、いいなあ、とも思うのだが、、。)
そんなこんなの、今日この頃。
ラフティーであった。
このレシピは、本当に沖縄でやられているものなのかは、
わからない。
(最初は、NHKの男の食採であったが。)
ハナマサで豚バラの塊を買ってくる。
ハナマサには、角煮用といって、1cm程度の厚みに
切ったものも売っているが、やはり、角煮は
5cm角くらいのゴッロっとしたのが、よい。
塊から、ザクザクと切って、鍋に入れる。
半分を焼酎、もう半分を水。
これでヒタヒタにする。
沖縄なので、泡盛が本当なのだが、焼酎でよい。
さらに、焼酎でも麦だの芋などの、いわゆる
本格焼酎でなくとも、大五郎や、樹氷など、
安い旧甲類、でもよい。
焼酎で茹でるのがこのレシピの、
なんといってもポイント。
そして、圧力鍋ではなく、普通の鍋。
圧力鍋に焼酎で茹でたこともあるが、これはまるでだめ。
圧力鍋で肉を煮る、というのは、結局、
製法とすれば、レトルトや缶詰と同じで、おわかりであろう、
レトルトカレーに入っている肉の味、になってしまう。
(ここに思い至らずに、やってみたのは、
まったく、迂闊、で、あった。)
焼酎で茹でることで、独特の仕上がりになるのだが、
圧力鍋では例え、焼酎を入れても、レトルトの肉の味になるのは、
おんなじであった。
ガス代はかかるかも知れぬが、
やっぱりじっくり、焼酎で茹でるのが、正解。
(火加減はむろん弱火。)
水が少なくなってきたら、焼酎を足し、
茹でること、2時間。
なのだが、一番最初のラフティーの日記をみてみたら、
最初は、1時間水だけ、その後、半分茹で汁を捨て、
焼酎を半分足してしょうゆ、砂糖を入れ、1時間。
これが、もともとのやり方、で、あった。
まあ、結局、2時間程は最低必要だということ。
最初の下茹では、串を刺して、スーっと、通る程度。
これが目安、で、あった。
水で茹でた時との一番の違いは、
脂の様子、で、あろう。
アルコールが、脂肪を溶かすのか、わからぬが、
おそらく、なんらか化学変化を起こさせるのではなかろうか。
普通、脂身を水で茹でると、水に溶け出し、
表面に浮いてくる。
焼酎で茹でると、どこへいってしまうのか、
浮いてこない。
また、茹であがっても、形がしっかりしているのも
違いかもしれない。
(最初のレシピとは違うが)
2時間茹でたら、しょうゆ、砂糖で味付け。
(しょうゆは、少なめ。)
さらに1時間。
仕上げにしょうゆ、鰹削り節を入れ、30分。
これで、完成。
(結局、最初のレシピより、1時間多く煮てしまった。)
そう思うと、ちょっと柔らかかったかもしれぬが、
それでも、上々。
脂身がプリッとラフティーらしく仕上がった。
脂っこさも、少なく、すっきり。
特段のコツもなく、時間さえかければ、
誰でもできる、うまい、沖縄風豚角煮。
ラフティー、で、ある。
これは、おまけ。
丼飯にのっけて、ラフティー丼。
これも、すっきり、うまい。
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