断腸亭料理日記2008
11月8日(土)朝
一週間が終わった金曜の夜、とbいうのは、毎週そうであるが、
やはり、ほっとする。
いや、ほっとする、というのは、適切ではないかもしれない。
ウイークデーは、毎日毎日、懸案を抱え、考え、
資料を作り、人と話をし、と、いうのを繰り返している。
いわば、息も付かずに走っている。
ウイークエンドになると、問題やら課題は
解決したわけではないが、休みになる。
いわば、重さだけが残って、中断している状態。
土日でも、どうしてもしなければならないことがあれば
むろん、するのだが、伸ばせることであれば、しない。
では、すっぱり忘れればよいのだが、人間なかなかそうもいかない。
土日だけ、完全に忘れることは不可能だし、ある程度でも
忘れるためには、多少の時間がいる。
その時間が、金曜の夜、ということなのかもしれない。
ともあれ。
金曜の夜は、真っ直ぐ家に帰り、
呑みながら、残っている、おでんやら、カレーやらを食べる。
(そうとうに食べたが、まだ残っている。)
ふと、うどんが食いたくなった。
いわゆる、ガツン、と食いたい、というやつであろう。
(ヤケ食い、か。)
そばは外食だが、うどんは、うちで打って、
食ってもよいだろう、と、思っている。
酔っ払っているが、作り始める。
まあ、食べるのは、明朝でもよい。
まずは、粉。
ほんとうは、中力粉、と、いうが、拙亭には、中力粉はなく、
強力粉と薄力粉がある。この二つを混ぜてもいいらしい。
みると、強力粉は残りわずか。
ある分は使い、残りを薄力粉に。
前回は200gで、一人前程度。
今日は、倍、作ってみようか。
粉1kgに、水450cc(10%の塩水)だから
400gに対しては、水、どのくらいだ?
酔っ払っているので、計算がなかなかできない。
やっとのことで、塩の量と水の量をひねり出し、塩水を作り
粉を入れたボールに合わせる。
うどんの場合はこの水の割合はそうとうに重要である。
仕上がりの堅さ、腰に影響し、目分量などではとてもだめ。
よく混ぜ合わせ、まとめる。
ここから、ボールに入れたまま、座って、こね始める。
もともと、バイトでうどんやそばを打っていたころは、
足で踏んだりせずに、木鉢の中で手でこねていた。
テレビを見ながら、30分ほど、で、あろうか、こねる。
薄力粉が多いせいか、こねやすいような気がする。
袋に入れて、今度は足で踏む。
酔っ払っているので、こっちの方が、大儀、で、ある。
てきとうにやめて、丸くまとめ、ボールに入れておく。
金曜の夜は、ここまで。
さて、翌朝。
起きて、朝食に食べよう。
だいぶ寒くなったので、温かいかけうどんにしよう。
伸ばして切るのは、さほど時間はかからないので
かけのつゆ用に、先に出汁を取る。
やっぱり関西風を目指そう。
関西風といえば、昆布、であるが、切れているのか
見あたらない。
いりこ、というのも、西日本のどこやらの地方では
うどんの出汁として、あったような気がする。
煮干と鰹、昆布の代わりの植物系、という意味で、
椎茸も使ってみようか。
まずは、煮干の腹を取る。
これを、レンジに軽くかける。
乾燥という意味もあるが、膨らんで、出汁が出やすい
ような気がしている。
水から、煮干を入れ、加熱。
スライスの乾燥椎茸も最初に入れる。
煮立ったら、弱火にし、数分。
このまま出汁が出るまで、10分ほど置く。
もう一度点火し、今度は鰹削り節。
どっさり入れて、弱火で数分。
これはこのまま置く。
さて、うどん。
まずは、伸ばす。
場所は、俎板の上。
くっつかぬように、小麦粉をふっておく。
そばやでバイトをしていた頃は、いわゆる
この打ち粉は、うどんも白いそば粉を使っていた。
同じ小麦粉だと、打ち粉の効果は少ないであろうが、
まあ、注意しながら。
麺棒(中華用の短いもの)に巻き付けながら
段々に伸ばしていく。
ある程度薄くなったら、広げ、今度は麺棒を転がしながら伸ばす。
やっぱり太めがよいので、厚さは3mm程度までで終了。
これに、もう一度、打ち粉として小麦粉をふって、
蛇腹に折り、包丁で切る。
太さは、特段揃えることに注意をするわけでもなく、
ざくざくと切る。
ただし、切った麺同士は、くっつきやすいので、
それぞれを離し、バラバラに、しておく。
茹でるための、湯を大鍋に沸かす。
その間に、つゆの準備。
出汁を漉す。
漉した出汁に、薄口しょうゆ。
味見。しょうゆの量はてきとう、だが、けっこうよい味が出ている。
よいだろう。
このまま置いておく。
茹で鍋の湯も沸いた、全部茹でよう。投入。
3〜4分、以上であろうか。
見た目と、時々取って、かんでみて、
断面への水分の入り具合で判断する。
OK。茹でこぼし、流水で水をかえながら、よく洗う。
ひとまずは、小さな丼でかけ、を、食べよう。
うどんは再度湯通しし、器も温め、再加熱したつゆも入れる。
刻みねぎを散らす。
完全な、素うどん。
つゆの味は、よい。
うどんの腰も、酔っ払って、てきとうに打った割りには
わるくない。
まだまだ残っているので、ざるでも食おう。
このつゆは、桃屋のつゆ。
ざるも、なかなかよい。
しかし、具もなにもなし。
こんなに、小麦粉ばかり食べて、、、。
まあ、よいか。
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