断腸亭料理日記2008
6月13日(金)昼
今日は朝から、北区王子の北、志茂へ。
(むろん仕事。)
昼飯はどうしようかと考える。
例の木鉢会。
もう一軒、前から行こうと思っていたところ。
駕籠町藪そば。
駕籠町とは、三田線の千石。
志茂は、南北線。
駒込で南北線を降りて、千石までは歩ける距離。
午前の予定が少し早く終わったので、
ちょっと、いってみようか。
今日は天気がよい。
天気予報でも、暑くなるといっていた。
駒込駅を降りると、本郷通り。
六義園が本郷通りの向こう側に、ある。
千石は六義園のさらに向こう側、白山通り沿い。
一先ず、六義園の入口までいってみる。
どうしようか。
少し見ていこうか。
六義園は桜が有名で、見にきたことはある。
暑いので、一休み。
300円を払って、門を入る。
六義園というのはご存じの通り、綱吉の時代に
権勢を振るった、柳沢吉保の別邸として造営された。
江戸の地図
この地図では松平甲斐、となっているが、
吉保の時代、松平の姓を許されており、
このように、表記されている。
(ちなみに柳沢家は吉保以降、大和郡山藩として
幕末まで続いている。)
明治に入り、ここは、かの三菱財閥創業者、岩崎彌太郎の別邸となり、
昭和13年、東京市に寄付されて現在に至っているようである。
六義園は、かなり広い。
小石川後楽園などと同様に、いわゆる大名庭園である。
どうも、私は大名庭園というのは苦手、のようである。
きれいだ、すばらしいとも、思い、別段嫌い、と
いうのではないが、どうも、間が持たない、のである。
まだ、建築物でもあればよいのだが、、。
こんな広い庭よりも、長屋の盆栽の方が落ち着ける、のだが、、。
まあ、根っからの貧乏性なのかもしれぬ。
10分そこそこで、出てきてしまう。
六義園の脇を抜け、左に曲がり、出た通りは不忍通り。
炎天下、真夏とまではいわぬが、歩いていると
汗だく、で、ある。
上の地図を見てもわかるが、今の駒込を通る本郷通りと、
巣鴨を通る白山通り(中山道)の位置は
江戸の頃から変わっていない。
白山通りに出て、左。
このあたりが、駕籠町であったようである。
江戸の頃、ここには御駕籠之者(おかごのもの)と呼ばれる、
将軍と世子の駕籠を担ぐ役目の人々の屋敷があり、
これに由来しているようである。
明治以降も駕籠町の名前は続き、
今の千石になったのは戦後なので、あろうか。
中山道のセンの音、旧区の、小石川区の石を取り、
千石はめでたいから、などといわれているようである。
(江戸明治重ね地図)
駕籠町藪そばは、通りのこちら(北側)にすぐに
みつかった。
開け放った入口の扉を入る。
入口すぐのテーブルに新聞や雑誌がきれいに揃えて
置いてある。
入口近くの窓際のテーブルに座る。
汗がどっと出る。
ネクタイも外し、扇子でパタパタ。
風も通り、気持ちがいい。
さてさて、なににしようか。
穴子天やら、小柱かき揚げ、なんというのもある。
小柱かき揚げに、もり。
腹もへっているので、大盛にしようか。
店の中は、特段凝った造りではないが、
昭和のそばや、という雰囲気。
窓の外には植えられた竹が見え、
木漏れ日がきれいである。
(やはり、六義園よりは、私には、
この眺めの方が、落ち着ける。)
小柱かき揚げは、小柱もたっぷり入り、なかなかうまい。
食い終わり、勘定をする。
ちょっと調理場をのぞくと、中も女性。
(ここは女性だけであろうか。)
昭和の風が流れる、そんなそばや、で、あろうか。
梅雨の晴れ間の、暑い昼。
よい時間であった。
駕籠町 藪そば
03-3947-2611
文京区本駒込2-29-20サンビル1F
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