断腸亭料理日記2008
6月14日(土)夜
さて、土曜日。
今日は、内儀(かみ)さんが、なにかうまいものを食べたい、
というので、夜、観音裏の鮨や、一新。
昼過ぎ、内儀さんにTELを入れてさせて、
7時に予約をする。
7時15分前、雪駄を履いて、出る。
タクシーで観音裏まで。
乗ってしまえば5分程度。
言問通りから、柳通りを左に曲がり、
一つ目の信号で降りる。
一本入った路地。
店に入ると、先客は二組。
カウンターの入り口側に座る。
ビールをもらい、つまみを含めて、
おまかせ、で、頼む。
ビールはハートランド。
今日は、初めてであるが、
あらかじめ、許可をもらい、
写真を撮らせてもらうことにする。
お通し。
小鉢に、じゅんさい。
今日も梅雨の中休みなのか、暑かったが、
これは、さわやかで、よい。
白身、
まこがれい。
ぽん酢しょうゆに紅葉おろしで。
あまみがあり、うまい。
ここは、つまみは、このように、一種ずつ皿に載せて
出てくる。
次、貝三種。
とり貝、みる貝、小柱。
とり貝がみずみずしい。
次、たこ。
一種一種をこうして出されると
それぞれに、集中できる。
味がよくわかる。
たこは、どこの鮨やでも出てくる、
江戸前の桜煮であるが、店ごとに微妙に違うのが
おもしろい。
薄く切られているせいもあろうが、
適当な柔らかさと歯ごたえ、そしてあまみが、ある。
次、鰹。
たたき、で、土佐造り、と、いうのであろうか。
時期も、春の鰹とすれば、盛り、で、あろう。
これも、うまい。
次、まぐろの中落ち。
一種ずつ出されるよさはもう一つ。
ゆっくり、くつろいで食べられる、ということであろう。
そう。
ここは、なんとなく、時間がゆっくり流れている
かもしれない。
鮨や、というのは、特に、にぎりを食う場合、
池波先生ではないが、やはり、出されたらすぐに食う、
というのが、うまいし、マナーであろう。
ベチャベチャ喋ったり、呑んだりし、つけ台にいつまでも
たなざらしにしては、鮨にも、職人にも申し訳ない。
ここでも私は、にぎりの場合は出されたらすぐに食べるが、
食べてから、次までの、インターバルが長い、ということになる。
そういう意味で、ここは普通の鮨やとは、
時間の流れが違う、のである。
焼きもの、が出た。
まぐろのほほ肉のつけ焼き。
脂があり、プリプリとした食感がよい。
ここから、にぎり。
白身から。
まこがれい。
刺身でも出たが、にぎりでもむろん、うまい。
貝、みる貝。
潮の香りがよい。
ヅケ。
ここは、必ず、ヅケ、がある。
あまくて、うまい。
海老。
うちの内儀さんが楽しみにしている。
やはり、ここの看板であろう。
茹でたてを、むいて、握る。
温かい、ということではなく、
みずみずしい。
そして、身がしっかりとし、あまい。
鯵。
気持ち水っぽいか。
新子。
ご存じ、小肌の子供、である。
もう出たか、というような、小さなもの。
味は、確かに小肌の新子だが、
やはり、いくらなんでももう少し大きい方がよいだろう。
ご主人は、やっぱり、下町の人は、新子を
珍しがるし、送ってくれる人がいて、
小さくて、仕事をするのがたいへんなんですが、
やってるんです、と、いう。
また、だんだん聞いてみると、河岸が休み、で
今日はネタが少ない、ということらしい。
穴子。
今年は、脂ののりが、いま一つなのかもしれない。
トロ。
那智勝浦のものという。
これはうまい。
季節的に、今はこのあたりが多いという。
よいトロ、で、ある。
最後にたまごで、終了。
二人で、ビールに酒を入れて、
勘定は、30000円強。
(つまみとにぎりのおまかせは、
一人、15000円)
十分にうまかった。
なにより、いつもより、静かだったのが
よかったかもしれない。
(そういえば、以前には店内でかかっていた、
ジャズが、今日はなかったような。)
柔和なご主人の人柄が現れた
よい鮨や、であろう。
PS.デジカメのメモリーを入れ忘れ、
携帯で撮った写真。画像がいま一つ、
でした。
東京都台東区浅草4丁目11-3
03-5603-1108
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