断腸亭料理日記2008
6月15日(日)第二食
12時過ぎ、稽古方々、床屋。
下駄を履いて、御徒町方面に出る。
今日は、天気はいいが、気温が低めで、さわやか。
佐竹商店街から、竹町公園を抜け、昭和通りを渡り、
いつもの通り、QBハウス。
運よく、ほとんど待たずにできる。
終わって、今日は、上野藪へいってみようかと、
ぶらぶらと、昭和通りを北上する。
AM/PMの路地を入り、丸井裏。
上野藪へ入る。
14時頃であるが、そこそこ満席。
列ができる、まではいかないが、
いつもここは、人が多い。
たとえば、池の端藪などに比べると、
丸井裏、アメ横の隣、という場所もあり、
買い物ついでに、入りやすいところにある、
ということは、大きな理由なのであろう。
一階にあいている席があり、座る。
瓶ビールをもらう。
つまみは?、、とメニューを見ると
穴子白焼き、というものに目がとまった。
これにしてみるか。
そばは、普通のせいろ。
ビールがきて、そば味噌をなめながら、
穴子を待つ。
ちょっと待ったが、きた。
なかなか、見た目に、よい。
わさびと、梅肉が添えられている。
なかなか、乙なものである。
呑みながら、まわりのお客さんをみていて
不思議な、若い女性三人組に目がとまった。
せいろのそばを、見ていてとても食べずらそうに
食べている。
一度、せいろからレンゲ(レンゲはせいろのそばには
つかないので、わざわざもらったのであろう。)
に一口分取り、そこから、そば猪口のつゆに漬けて、
再び、レンゲに戻し、その後に口に運んでいる。
田舎の人かな?
ここも、比較的、観光客も多いので、
べっとり、そば猪口のつゆにそばを浸してしまってから、
箸で取り直して、食べている人をたまに見かける。
東京のそば(つゆ)で、これをやってはいけない。
粋に食べろ、というのではなく、漬けてしまっては
味がいくらなんでも、濃すぎる。
箸からそばは離さず、先だけ漬ければよい、のである。
よくよく、彼女達をみて、言葉を聞く。
テーブルの上には、「Tokyo Guide」なる本が置かれ、
はー。なるほど。
彼女達は中国(台湾?香港?)からの
観光客、のようである。
最近、東京はそうとうに中国や韓国からの観光客が増えている。
銀座などはお金持ちのお買いもの。
浅草、アメ横も、目に見えて増えている。
その流れがこんなところにまで、きているのか。
東京の、歴史のあるローカルフードを
中国の若い女性が試そう、というのであろう。
それはそれで、東京人として、ありがたいことである、
と、いわねばならない。
レンゲを使っているのは、すすりこめない、
と、いうこと、なのであろう。なるほど。
ともあれ。
呑むのを、見計らっていたのであろう。
特に、頼んではいないが、呑み終わったところで
そばがきた。
やはり、ここのそばは、うまい。
東京のそばとして、なんの文句もない。
蕎麦湯をもらい、勘定をして出る。
結局、この上野藪、
場所もよいし、店もきれいで入りやすい。
今日のように、外国人も含めて、
おそらく日本中から様々な人が
きているのであろう。
それをさばくのは、たいへん。
同情すべきなのかもしれない。
台東区上野6-9-16 tel.03-3831-4728
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