断腸亭料理日記2008
4月5日(土)昼
さて。
土曜日、で、ある。
先週の日曜から、内儀(かみ)さんの母親が北海道から
でてきて、拙亭に泊っていた。
ウイークデーの間は、私の内儀さんも、仕事があり、朝早く出て、
夜遅く帰る日々のため、ほとんどかまうこともできなかった。
これは昨秋もきて、いつものことで、最初から、
義母も承知の上なのだが、勝手に、
桜花の咲いた東京の町を、昨日は、六義園だ、
今日は千鳥ヶ淵だ、と、拙亭をホテル代わりにして、
楽しんで、元気に歩きまわっていたようである。
帰るのは、明日、だということで、
今日ぐらいは、東京の名残の桜をダイジェストで、
車で見て回ることにした。
天気もよい。
気温も上がりそう、で、ある。
まずは、隅田川。
向島の桜花も見たようであるが、近所でもあり、
もう一度、いってみよう。
浅草通りから、駒形橋を渡り、墨堤通り、吾妻橋を左に見て、
トンネルをくぐって、左折。
枕橋を渡って、隅田公園。
左側に堤の桜、右に旧水戸藩邸の桜。
もうほとんど、葉桜であるが、それでも
薄く桜色の枝が広がっている。
オープンカーの屋根を開けて、ゆっくり走る。
言問橋をくぐり、長命寺前まで。
ここで、車を一度停め、三人で桜橋まで上がり、
ひと渡り、川面と、浮かぶ屋形船、向こう側を見渡す。
長命寺側に降り、列に並び、桜餅を購入。
車に戻り、Uターン。
三囲稲荷まで戻り、もう一度車を留め、降りる。
三囲は、私が覗いてみたかったのである。
境内に入ってみるのは初めて。
大田南畝先生をはじめ、三井関係のもの、その他、
様々な句碑や、歌碑、記念碑等々、
私にとっては様々な発見があったのだが、
今日は、この後、まだまだ道のりが長いので、
これは、またの機会にする。
ここから、先ほど、右に見えていた、旧水戸藩下屋敷の
隅田公園まで、私は車を回し、二人は歩いて戻る。
この墨堤通りの川とは反対側、こちら側の路肩には、最近、
ソメイヨシノではない、様々な桜が植えられているのを
発見した。
まだまだ幹は細いのだが、これからなん年か後には、
様々な、見事な桜花が見られることであろう。
旧水戸藩邸の隅田公園にきてみると、
桜は、だいぶ散ってしまっているが、
露店も出ており、ブルーシートを広げて、
花見をしている人もいる。
ここには、旧藩邸の日本庭園も残っている。
隅田川のそばでもあってか、池に、あひるに混じって、
ゆりかもめがいるのがおもしろい。
ひと渡り公園を回り、再び、車に戻る。
ここから、吾妻橋を渡り返し、浅草松屋。
松屋の立体駐車場に入れ、しばし、買い物。
(実際に買ったのは、松屋ではなく、新仲見世の
呉服屋で、丹前用の替えの襟。
私のものなのだが、義母に付け替えを頼んだのである。)
さて、昼、で、ある。
軽く食いたいが、どうしようか。
そばなどが、いいのだが、並木藪などは混んでいるであろうし、
ちょいと、食えるところがよい。
で、思いついたのが、千束の路麺(立ち喰いそば)、
ご存じ、ねぎどん。
北海道から東京見物に出てきている義母と、
内儀さんを連れていく、というのは、
どうか、という気もするが、、一応は、椅子があり、
生そば茹でたて、味はよい。
いってみようか。
松屋の駐車場から、ぐるっと回って、蔵前通り(水戸街道)を
北上。言問橋の交差点も突っ切って、聖天様(待乳山聖天)の先、
旧山谷掘。ここはむろん埋められて、公園になっているのだが、
両岸にあたるところ、桜が植えられて、きれいなのである。
この、山谷掘に架かってた旧今戸橋の袂を左に入ろうと
思っていたのだが、一通(いっつう)で入れない。
しかたなく、直進。次の信号を左折。
馬道通りに出て、左折。
観音裏の、一葉桜の並木、小松橋通りに曲がる。
一葉桜は八重の桜で、花も咲いているが、もう葉も
出始めている。
左側に浅草(旧象潟)警察、右に植木市のお富士様こと、
浅間神社。また、ここの通りには、四季ほぼいつも、
観音裏の料亭やら、芸者さんやらも含めて、
界隈の名入りの高張り提灯が出ている。
見にきたことはないが、毎年、一葉桜の開花するこの時期には、
花魁道中なども出る、一葉さくら祭りというのが開かれている。
(今年は、今週、4/12(土)のよう。)
千束通りも直進し、花園通りに合流、国際通りに出る。
さらに直進。
と、左側にあるのが、かの、ねぎどん。
店の先に停め、三人で、店に入る。
券売機で、私は、いつもの、冷たいおろしそばと、
桜海老天。内儀さんも真似をして同じもの。
義母は、温かいおろしそば。
こうしたところでは、ゆるゆる、食べていてはいけない。
遅い内儀さんを急かし、すぐに出る。
義母は、安くてうまい、この(路麺)世界が
少し気に入ったようである。
さて。
ここから、都内、桜の一回り。
なのだが、かなり長くなりそうである。
果たして、文章のみの都内、葉桜めぐり、
どのくらいの方がお付き合いいただけるのか、
はなはだ疑問だが、二回に分けて、今日はここまで。
また明日。
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