断腸亭料理日記2007

うどん・根津・讃岐うどん・根の津

9月9日(日)第一食、第二食

朝起きると、今日も暑くなりそうである。

なにを食おうか。

(実は、チキンライスが食べたかった。
冷や飯がまだ残っていると思っていたのである。
鶏肉を炒めるために使う、切れていたブランデーを
買いにまで行ったのだが、帰ってみると、内儀(かみ)さんが
既に、飯を昨日食ってしまっていた、、。)

暑いし、乾麺のうどんでも、ざるで、食おう。

池波流。生卵かけ&にんにく、でいってみよう。

特段のことはない。
茹で上げて、洗い、ざるに盛る。
にんにくをおろす。
つゆは、桃屋。


生卵は、ベトベトになるので、直接かけず、少しずつ箸でつける。

うまい。

昨日から引き続いて、TVを見ながら、ごろごろ。
日曜日、昼間見るTVというと、ほとんどが、CS。
池波作品をしつこくやってくれる、時代劇専門チャンネルと、
日本映画専門チャンネル。

昼過ぎ、日本映画専門チャンネルでは、UDON
(うどん、「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督作品。
昨年公開。監督の故郷・香川県の名物"讃岐うどん"をめぐる
様々な人生模様を描いた人情ドラマ。)をやっていた。

リピート放送のため、既に一度見ている。
最初に見たときにも感じたのであるが、
これを見ていると、無性に、讃岐うどんが、食べたくなる。

一食目が、ざるうどん、で、あったが、また、食いに行くか。
筆者、東京者であるから、うどんを食べに、わざわざ外へ出かける、
と、いうことは、ほとんどしない。
日曜日やっている、讃岐うどんやはあるだろうか。
少し調べると、比較的近所、根津、にあった。

根津権現様の近所の、根の津、と、いう店。
なにか、その、ここは、銀座の讃岐うどんの名店で
修行、独立した店らしい。

根津、というところも、むろん知っているが、
筆者の日常の行動範囲ではない。
浅草から見ると、なにか、山の中、という印象がある。

地理的には、不忍池、上野の山の向こう側。
江戸の頃は、不忍池に流れる、藍染川が流れる谷筋。
上野寛永寺の奥、寺町でもあり、また、岡場所などもあったところ。
明治以降は、現東大と芸大に挟まれ、文化人が多く住み、また、
三遊亭圓朝をはじめ、落語界とも縁はある。(が、これは、東京でも
台東区内などは、有名無名を問わなければ、落語家の住んでいなかった
街など、ないかもしれない。)

今では、谷中、根津、千駄木とワンセットで、谷根千と呼ばれ、
戦災などにもあっていないので、細い路地や長屋などが残る
下町、という位置付け、で、好んで移り住む人などもあるところ。

日曜は15時までのようである。
13時過ぎに、出る。
麦わら帽子をかぶり、自転車。

御徒町、アメ横の雑踏を突き抜け、ヨドバシカメラの前(三橋)、
中央通りを渡り、不忍池、池之端を、道なりに右にカーブした、
不忍通りをいくと、両側から山が迫り、根津に入る。
言問い通りとの交差点、地下鉄根津駅から、二つ目の信号が
根津神社入り口。

この路地を左折すると、右側。
(実は、日本医大の通りまで、ちょっと行き過ぎてしまい、
戻ったりする。)

麻の暖簾が下がっている、“趣味そば”的な外観。
なんと、4〜5人の列ができている。
やはり、有名店のようである。

炎天下、麦わら防止をかぶり直し、列に付く。
(麦わら帽子は、自転車で飛ばすと、飛んでしまうのである。)

けっこう待ったであろう。
20分ほどか。

暑かっただけに、冷房の効いた店内は、気持ちいい。
中は、思ったより、狭い感じである。

客層は、20代、30代、であろうか、比較的若い。
また、女性一人、という人もある。
若い人の谷根千ツアーに組み込まれているようである。
(50代〜団塊、で、ないところが、おもしろいかもしれない。
これがそばであれば、そうなるのか、讃岐うどんだから、
こうなのか、、、。)

列に並んでいる間に、ぶっかけ、¥650を、頼んであった。

比較的すぐ、出てくる。


ぶっかけは、揚げ玉やおろし、がのり、冷たいつゆのかかった、
文字通り、ぶっかけ。

讃岐うどんは、やはり、コシとつるみ、が命なのであろう。
冷たく、歯ごたえと、のど越しが心地よい。
つゆも、気持ち甘めであるが、十分にうまい。

揚げ玉は、東京のそば屋の、たぬきそばのものなどよりも
ずっと脂っこさが少なく、カリカリとした食感。
これは讃岐うどんの特徴であろうか。

またたく間に、食い終わる。

これで、¥650は安かろう。

うまかった、うまかった。

自転車に乗り、根津の町、藍染川のあった通りなどを通り、
池之端へ出る。




文京区根津1丁目23-16 03-3822-9015





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