断腸亭料理日記2007
9月1日(土)夜
さて、オフィスで仕事を片付け、2時過ぎ自転車で移動、
神田猿楽町のそばや、松翁で一杯呑んで、天ぷらとそばを食う。
猿楽町から、駿河台下、靖国通りから、中央通りへ出て、
秋葉原を抜け、蔵前橋通りを渡り、御徒町。
吉池に寄って、魚を買おうか。
店に来ると、時期である。
秋刀魚が目玉のようである。
釧路や根室の北海道もので、一本だと¥130。3本で、¥300。
少し多いが、6本買おう。
それから、、。
先ほど寄った、松翁で、つまみとして、岩牡蠣があり、
比較的安かった。吉池に岩牡蠣が、あるかと、みてみると、
一つ、¥280、常磐産。
OK、二つ。
帰宅。
ちょっと、昼寝。
19時頃から、準備にかかる。
まずは、秋刀魚は刺身、で、あろう。
北海道産で身も太く、なかなかものはよさそうである。
3本、三枚におろし、皮を引く。
皮は、鯵や鰯など、他の光物の魚よりも、身が長い分ちょっと手間取る。
頭側からむくと、途中で切れたり、身も一緒にむしれてしまったり、
多少苦労する。
ペーパータオルにくるんで、一度冷蔵庫に入れておく。
さて、岩牡蠣、で、ある。
拙亭には牡蠣を開ける、刃物がある。
記憶は定かではないが、以前にむくために、買ったのであろう。
(それ以来、ほとんど使っていない、と、いうことである。)
内儀(かみ)さんに、開け方を知っているかと聞いてみるが、
知らない、という。
と、いうことは、以前にも筆者が使ったのであろうか。
まったく記憶にない。
ちょっと、調べてみるが、特段の“技”のようなものはないようである。
貝の合わせ目に開いている隙間があれば、そこに刃先を差し込み、
明けていく、ということ。
隙間がなければ、殻を砕いて、隙間を作る、という。
なかなか強引な方法である。
貝を見てみると、隙間などはなく、がっちりと閉じている。
まずは、炊事用の手袋をして、たわしで、殻をきれいに洗い、
海草やらフジツボやら、ついているものを取る。
それから、貝の合わせ目に強引に刃を入れ、
殻を割りながら、こじ開ける。
なかなか、開かぬが、何回か試みているうちに、
殻が砕け、穴が開き、刃が入る。
刃が入れば、本当は縦に入れた刃を横にし、開ける、
というが、これもなかなかそういうわけにもいかない。
縦に入れたまま、中の貝柱を切るように、
しばらく貝の中で刃を動かしているうちに、だんだんに、
開いてくる。
なかなか、悪戦苦闘。
なんとか二個、開いた。
身の下側の貝柱も貝からはずし、
さらに、岩牡蠣は身が大きいので、
食べやすく、身にも包丁を入れておく。
盛り付け。
秋刀魚の刺身は、おろししょうが。
なかなか、新鮮のようで、身に張りがある。
また、脂もあって、うまい。
岩牡蠣。
レモンを絞って、食う。
特段、高い値段のものではないが、
身も大きく、厚く、クリーミー。
岩牡蠣の季節は、そろそろ終わりであろうか。
だから、こんな手ごろの値段であったのか。
よくわからぬが、鮨屋のようなところでしか
食べた記憶はないが、これはめっけもの、で、あった。
一つ、最後におまけ。
残った刺身を、オリーブオイルとにんにくのみじん切り、
味付けは塩のみで、焼いてみた。
ポワレ、で、あろうか。
これも、なかなかうまかった。
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