断腸亭料理日記2007
9月14日(金)昼
午後から、五反田のビルで会議。
昼飯は、カレーやにしようと、思う。
『かれーの店うどん』、という、ちょっとおもしろい
スープカレーの店、で、ある。
昨年始めてきて、それから、なん度かきている。
五反田にビルができてから、この界隈はうろうろするように
なってきた。
市ヶ谷のオフィスからは南北線に乗り、
そのまま東急目黒線、不動前駅で降りることが多い。
このため、うろうろする、といっても、JRの山手線の南側。
清泉女子大学のあるような北側の山手には、一向に縁がない。
この、『うどん』、以外には、
さほど開拓したところはないが、一軒だけ、ある。
『うどん』のちょうど、山手通りをはさんだ、反対側。
城南信用金庫本店の裏側の路地にある、とん金という、とんかつや。
安くて、とにかく量がある。
この年になって、量がある、というのは、よいことではないのだが、
量だけでなく、味もよい。
さて、江戸の地図
以前に、五反田付近の江戸の地図を出したが、
それよりも気持ち、西に寄せた。
真ん中に、柳生タジマ、と見えるが、大和柳生藩の下屋敷。
(このあたり今の西五反田3丁目、
目黒川はもっと、蛇行していたようである。)
村の名前としては、東側が下大崎村、東側が上大崎村。
その間と、目黒川をはさんで、南側までが、
谷山村、という。(この谷山村は、今の首都高が上を走る
通りが、目黒川にかかる橋の名前に残っている。)
五反田という地名は、下大崎村の小字名であったようである。
(五反ある田んぼがあった、という程度の由来である。)
さかさまに書かれているが、子神(ねのかみ)、
という神社があるが、このあたりが今の五反田駅。
今の東五反田、西五反田地域は、柳生藩の下屋敷など
あるにはあったが、ほぼ、田や畑であったといえよう。
明治に入り、工場などが少しずつでき始め、その後、
大正期、花街などもできた、ということは、以前にも書いた。
さて。
今日も、東急目黒線の不動前駅で降りて、山手通り沿いに歩く。
少し涼しくなったとはいえ、日なたを歩くのは暑い。
今週末は、このあたりの氷川神社のお祭のようである。
町内会の人々がテントを建てて、準備をしている。
東京でも筆者の住む下町の祭は、5〜6月であるが、
このあたりは、秋の祭、のようである。
大崎郵便局の交差点を渡り、路地を入り、『うどん』、到着。
12:30頃、カウンターだけの小さな店であるが、ほぼ満席。
一番奥が開いており、案内される。
今日は、店主のお兄ちゃんと、奥さんであろうか、
女性もいる。
(店主のお兄ちゃん一人だと、てんてこ舞いになる。)
看板のスープカレー以外にも、メニューはいろいろあるのだが、
今日は、ノーマルなスープカレーに、カレーたまごを頼む。
カレーたまご、とは、メニューに書いてあるが、
“おでんのたまご”のように、カレーで煮込んだゆで卵。
ノーマルなスープカレーは、調理をしなくてよいのであろう、
先に頼んでいた人のものよりも、早く出てきた。
やはり「ご飯とカレーは別々に食べてください」といわれる。
理由は、スープカレーをスープカレーとして味わうためである、
ということで、ある。
なるほど、そうやって食べると、カレーの味がはっきりする。
ここのスープカレーは、辛味は強いが、その他の香辛料や
脂(油)も少なく、さっぱりとし、どちらかというと、
素朴な、素直な味、といえるかもしれない。
HPの説明によれば、その方が、週に何回も、そして、
長く食べてもらえる味であるから、ということである。
なるほど、そうかもしれない。
カレーたまご。
これは、スープカレーではなく、どろっとしたカレーで
煮込んである。
かなり辛いので、汗だくである。
うまかった、うまかった。
まだ、しばらく暑いのか。
カレーの季節は続くようである。
かれーの店うどん
品川区西五反田2-31-5
5434-2308
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