断腸亭料理日記2007
11月11日(日)夜
さて、引き続き、はぜ、で、ある。
昨日は、梅安の、沙魚の煮たの。
落ち沙魚。
内儀(かみ)さんは食べなかったので、十数匹残っている。
今日は天ぷらにしよう。
せっかくの脂がある腹を抜いてしまうのは、
なんとなくもったいないような気もするが、
それは、もっと寒くなって、真子も白子も大きくなってからの
楽しみにしておこう。
天ぷら。
池波先生は、ハゼに『沙魚』という漢字をあてている。
そのまま煮たのは、この字の『沙魚』が合っているような気もするが、
天ぷらの場合は、なんとなく、仮名で、はぜ、が、しっくりくる。
そこで、今日は、『はぜの天ぷら』、で、いこう。
さばく。
落ちはぜで、大きいとはいえ、これを開いて骨を取るのは、
なかなか面倒くさい。
といっても、夏やった、ぎんぽ、ほどではない。
あれはたいへんだった。
細く、長く、うなぎや穴子をさくようにしなければならなかった。
頭を落とし、腹を割き、背中の皮を残し、半身を骨からはずす。
そして、骨を下側の身からはずす。
ぎんぽ、は、ここがたいへん、なのである。
はぜは、すーっと、とはいかないが、そこそこ簡単に、
切り取れる。
開いたもの。
油の準備から。
ストックしてある油を揚げ鍋に入れる。
それから、玉子冷水。
ボールに玉子を割りほぐし、冷水とよく混ぜ、氷を
二かけらほど、入れておく。
ここで、揚げ鍋に点火。
温度が上がってくるのを、待つ。
そこそこ上がってきたら、玉子冷水に小麦粉を溶く。
硬さは“普通”。
ふと思いつき、今日は、この溶いた衣につける前に
下地に小麦粉をそのままつけてみることにする。
弁当箱に小麦粉を入れ、用意。
衣を箸で落とし、油温をみる。
OK。よさそうである。
裏表、軽く、小麦粉をつけ、衣のボールへ。
十分に衣のボールを泳がせ、油に投入。
続けて、二枚。
計三枚。
投入後、10秒弱、衣が固まるまでは、さわらない。
その後は頻繁に返す。
煙が出ない程度の、高温をキープする。
はぜも、比較的十分に揚げた方がよいであろう
そこそこよい色になったら、揚げる。
下地に小麦ををつけるとこんなにも違うのか。
驚き、で、ある。
厚めに、しっかりした衣に仕上がっている。
また、そのせいか、いつもよりカラッと揚がってもいる。
いかなどは薄い方がよいかも知れぬが、
穴子や、今日のはぜなど、江戸前のねたは、
こうして、しっかりしていた方が、感じが出る。
昨日買って、食べるのを忘れていた、ひも、も出す。
(ひもは、なん度か書いているが、安いものだが、好物である。)
はぜ天、やはり、これだけ食べないと、
味はわからない。
うまいものである。
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