広島へ行く、人間を、名古屋にいる人間が、送る、
というのも、考えて見れば、いささか妙であるが、
この二人とも、高校時代からの旧友である。
呑み過ぎた。
男も、30代半ばを過ぎ、今、世の中に対して、
なにか無性に、(言いたいことが)、ある。
ともあれ、二日酔い、である。
「鴨せいろ」が食いたくなった。
どこへ行けば、いいだろうか?
拙亭からは遠いため、今日、わざわざ行くことができないが、
新宿のパワーステーション(日清食品)の裏に、小松庵という、
全く無名だが、うまい鴨せいろ、を食わす店がある。
いろいろ、考えた挙げ句、上野藪、と、決めた。
薮蕎麦も、、神田、池之端、並木の、御三家。
その他、いろいろあるが、それぞれ、一長一短。
「神田」は、店員の声はいいが、店が大きく、落ち着けない。
「池之端」も、老舗で雰囲気はいいが、その分、暗い。
「並木」は言うまでもなく、しょっからい。
それぞれ、そういうつもり、の時にはいいのだが、
今日のような、気力、もない時には、気分、ではない。
そこで、上野藪、である。
味もよいが、御三家のような、若干の敷居の高さは、ない。
筆者は以前より、冬、この店で出す、
軽く炒めた、生牡蠣がのった、牡蠣(かき)そばが気にっている。
店舗は丸井の裏路地、上野らしい、ごみごみした区画にあるが、
こじんまりとし、店舗も新しく、こぎれいである。
店構えは新しいが、そこそこに、歴史はあるようである。
鴨せいろである。
もりそばを、鴨とねぎのつゆにつけて食べる、そばである。
食べる。
どうしたわけであろう。
つゆが薄い。つけそばというよりは、かけそば、という濃さである。
別に、徳利に入った、つゆがあるので、足してみる。
まだ、薄い。
全部入れる。
やっと、食べられるようになった。
様々な好みに合せて、薄めに調整してあるのだろうか?
考えて見れば、この店で、もりそばの類は食べたことがなかった。
失敗である。
特に、鴨せいろは、濃い目がいい。
選択を間違えたか。
しかし、上野藪、冬の牡蠣そばはいい。
※平均点 2.333 合計30人 (今日は不人気。)