断腸亭料理日記

つけとろそば

3月13日(土)夜食
久しぶりの寛いだ自宅というのもいいものである。
夕刻よりポツポツと呑んで、
ポテトサラダ(前に書いたもの)を作り、また呑んで。

深夜、妻の希望によりそば、である。

「冷たい方がいい」という。

今日は好物の鴨肉はないが、鶏を「つけじる」で煮て、
鴨せいろ風の「鶏せいろ」という手もあるかな。

しかし、山芋がある。つけとろにしよう。

実のところ、筆者はアレルギーの気があり子供の時分から
山芋は苦手な食べ物であった。
山かけにしろなんにしろ味としては好きなのだが、
身体が受け付けない、というやつである。

名古屋で単身生活をするようになり、なんという決心があったというわけではない。
なんとはなしに食べるようになり、食べられるようになった。
慣れ、というものだろうか。

しかし、今でも、食べれば、口の中、まわりはかゆくなってしまう。

そんなわけもあり、山芋系の食物は見ないようにしてきた。
もちろん、この、つけとろも一度も口にしたことはなかった。

作る。
山芋をおろす。
同時に湯を沸かす。そばは乾麺。
そばを投入。
そばのざるを用意。
そば猪口、つゆを用意。前にも登場しだがつゆは「桃屋」。

つけとろにはねぎはいらぬであろう。わさび。

そばを揚げ、水洗い数回。
ざるに並べる。
そば猪口に、つゆ、(ほとんど水は割らない)すり下ろした山芋を入れ、
猪口の縁にわさび(チューブ)を置き、完成。

食す。

「うまい。」
そばつゆと、とろろがここまで合うとは思わなかった。
そばとともに、とろろを吸い上げてくる感覚。
なんともいえなく、うまい。

いままで、こんなにうまいものを食べなかったのは
なんということであろうか。

しかし、くちびるはかゆくなった。
 
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