断腸亭料理日記2005

味噌煮込みうどん

10月29日(土)第二食

またまた、うどん、である。

朝起きると、雨もパラパラ。薄ら寒い。

薄ら寒いと、やっぱりうどんである。

今日は味噌煮込みうどん、にしようかと思ったのである。
しかし、これは、出汁をとらなくてはならないので、
時間がかかる。

そこで、ひとまず、第一食は、千束の路麺・ねぎどん

味噌煮込みうどん、といえば、いわずと知れた、名古屋地方の名物、である。

昨年、行ってみたが、最近は、東京にも、山本屋総本家という、
名古屋の有名チェーンが進出している。
(その後、この店は、浅草雷門通りにも店を出している。)

味噌煮込みうどんの自作は、筆者の名古屋時代には、何回か
やってみており、そこそこのものが、できるようになっていたのである。

そもそも、味噌煮込みうどん、とは、なにか。
と、これを書き出すと、また、長くなる。
(ご存知なく、ご興味のある方は、上記の、
山本屋総本家の記事を、ご参照されたい。)

簡単にいうと、名古屋地方特産の赤味噌といわれる豆味噌味の
つゆで、煮込んだ、うどん、である。

味噌煮込みうどんの特徴、なにがうまいのか、というと、
とにかく、濃い、こと。

赤味噌のつゆ、と、書いたが、これだけでは、単なる、
赤だし味噌汁である。
味噌煮込みうどん、のつゆの、濃さは、赤だし味噌汁なんという
ものではない。ベラボウに濃い。味噌味も濃いが、出汁も濃い。
(とにかく、名古屋ローカルの食べ物の味は、濃い。)

もともと赤味噌は、通常の米麹味噌よりも旨み、に劣っている。
(アミノ酸の量を科学的に計測すると、明らかに違うようである。)
このため、赤味噌のみで赤だし味噌汁を作る場合にも、筆者は
だしは、念入りに濃く、とることにしている。

また、米味噌を少し加え、いわゆる合わせ味噌にする、方法もある。
これでも、旨みを補うことができるのである。

名古屋地方の家庭でも、味噌煮込みうどんは作られる。
作り方を詳しく聞いたわけではないので、わからない。
まあ、自己流である。

味噌煮込みうどんには、同じく、名古屋名物の鶏肉は欠かせない。
(取り立てて、コーチンでなくともよい。)
そこで、筆者は、だしは、鰹など、魚介系だけではなく、
鶏も使うことにしている。

鶏がらでも、よいのであろうが、脂も出て、
肉も食べられるので手羽先で、だしをとる。

ねぎどん、に出たついでに、手羽先、うどん、椎茸、蒲鉾を調達。
うどんと椎茸は、¥99ショップである。
¥99ショップを覗いてみると、名古屋のメーカーが作っている
乾麺のきしめんがあった。また、乾燥椎茸も、どんこ、がある。
量はいらない。商品によっては、¥99ショップも使えるのである。

帰宅。

まずは椎茸を戻す。
お椀に、お湯を入れ、椎茸を三つほど入れ、軽くレンジをかけ、置く。

大きめの鍋に、手羽先二つほどと、煮干も入れる。
(煮干は、頭と腹を取って、
一度レンジで1分ほど加熱乾燥させておく。)
沸騰したら、灰汁を取り、ごく弱火。

30分以上煮出し、ここに、厚削りの鰹削り節。
さらに、10分ほど。

そして、普通の鰹削り節を、ふたつかみ、ほど。
4〜5分で、火を止め、置く。

椎茸の様子をみると、まあまあ、よい。
もう一度、数十秒ほど、レンジをかける。
小鍋に、戻し汁ごと入れ、酒、しょうゆ、砂糖を入れ
煮立ったら、アルミホイルの落し蓋をし、煮含める。
煮詰まってきたら、火を止め、置く。

さて、準備は整った。

一人用の土鍋を用意。
まずは、つゆ、を作る。

とっただしを、土鍋の半分ほど、入れ、ここに、赤味噌。
(今日のものは、岡崎の八丁味噌ではない。名古屋のメーカーのもの。
筆者は、赤味噌はそれほど、ブランドにこだわりはない。)
そして、信州味噌も少し入れてみる。酒、砂糖も少し。
砂糖は、あくまでも隠し味程度。

火をつけ、味噌をよく溶き、味見。ちょっと濃い。
だしを、足す。OK。
だしから、手羽先も取り、最初に入れておく。

ここに、乾麺のきしめんを、直に入れる。
乱暴のようだが、これが、山本屋などの作り方でもある。
(店では生麺である。)

山本屋などでは、まるく曲がった麺を使うが、今日買ってきたものは
普通の、長い真っ直ぐのものである。土鍋には入りきらない。
火を止め、半分ほど突っ込み、突っ込んだ部分が、
柔らかくなり曲がるまでしばらく置き、全体を入れる。

が、、。なかなか、難しい。
全部を、土鍋に入れても、今度は、重なっている部分が、
くっついてしまう。くっついたものを、一枚一枚、丹念に、剥がす。
OK。

くっつかないように、気を付けながら、弱火で、煮ていく。
そのうちに、つゆにとろみ、が出てくる。
ここが、麺を直に入れて茹でる理由ではなかろうかと思う。
茹でている間に、麺の小麦粉が溶け出してくるのである。

(本当は、味噌煮込みには、きしめんは使わない。
名古屋地方で作られている、腰の強い太めのうどん、である。)

麺を、取って、戻り具合を時折みる。
OK。

生玉子、斜めに切ったねぎ、蒲鉾、椎茸を入れ、
玉子が、半熟に固まるまで、ふたをして煮る。

完成。

食べる。

うわ、、。塩辛い、、。
煮詰まってしまっていた。

あわてて、だしを足す。
リカバー。

まあ、まあ、うまい、味噌煮込みができた。

麺は、やはり、きしめんよりは、うどんの方がよい。
きしめんでは、少し、たよりない。
濃い味噌味と、だし、そして、半熟卵を、つゆに溶かして食べる。
これが、うまい。赤味噌と、玉子の相性は、抜群である。
また、手羽先は、トロトロになり、だしがら、ではあるが、
これも、筆者は好きである。




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