断腸亭料理日記2004

鶏そぼろ

4月17日(土)第2食

このところ、疲れ気味で風邪を引いたようである。
たいした事はないが、若干熱っぽい。

一杯やって、昼寝をしよう。

作り置きの鶏そぼろである。

前に、和風コロッケに使ったものである。
もちろん、同じものではなく、作り直しているもの。

作り方は特別なことはない。
鶏ひき肉に、風味付けに生姜をスライスを数枚入れ、

味付けは、しょうゆ、砂糖、酒、
それから、これが少しポイント、白だしである。

関東地方の方で、白だしを、ご存知の方は少ないかと思う。
名古屋地方(愛知県、三重県、岐阜県)で主に作られ、使われている
調味料である。

まず「白しょうゆ」というものがある。
もともとは、金山寺味噌(もろきゅうにつける甘い麦味噌)の上澄み、
であったらしい。

白しょうゆは、小麦9に対して、大豆1で作る。
(普通のしょうゆは、いうまでもなく、大豆で作る。)
甘味があり、色が薄い。

この白しょうゆにダシ(かつおや昆布のだし)を加え、
貯蔵発酵させたものが、白だしである。

いわゆる、和風天然調味料であり、なんにでも使えるのだが
独特の風味がある。

一度購入されて、匂いを試してみるといい。
大手メーカーでも作っており、
ちょっと探せばそれほど珍しくなく見つかると思う。
(特にお勧めがあるわけではないので、あえて、リンクは入れません。)

白だしのにおい、筆者などは、
小さい頃のうなぎのたれ、佃煮などを思い出す。
今はあまり、東京のうなぎや佃煮にも
使われていないのではないかと思う。
また、佃煮でも三重県桑名の「貝新」

松坂の牛時雨(しぐれ)煮などはこの風味が強いように思う。
地域柄であろうか。

鶏そぼろが、食べたい、と思った時に、
この風味を思い出したのである。
白だしを常備していたわけではないので、このために買ってきた。

鶏そぼろ自体は、上記調味料を味を見ながら、適宜入れて
アルミホイルの落し蓋をし、煮詰めていく。
筆者の場合は、甘辛の濃い目を目指す。

白だしを入れると、ただの甘辛に、より濃い香りと旨味が加わる。
(場合によっては、くどく感じることもあろう。
また、こうした、風味調味料の難点でもあるが、みんな同じ味になる。)

今日はこの作り置きを、食べる分だけ、レンジで温め
ここに、生卵を落とし、そのまま、合え
つまみ、とする。

酒は菊正宗のお燗一合。

鶏そぼろはどんぶりにもする。
生の卵黄を落とすと、うまい。

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