箱根 塔ノ沢 福住楼 1
番外編 年末年始特別企画(?)その1
12月27,28,29日
骨休めに箱根に湯治に行ってきた。
この福住楼は明治からある、いわゆる老舗旅館。
昨年初めて1泊で来たのだが、気に入って
こういう温泉旅館は2泊以上したいものだと考えていたが今回実現。
建物も部屋のしつらえ、額、掛け軸、欄間などいい。
古いからといってもちろん古ぼけてはいない。
磨き込んである。
また、趣味にあっているのが色々なものが実に粋なこと。
田舎のこけおどしな煌びやかさでなく、
襖(ふすま)の柄一つとってもいい。
やはり、箱根のこうした老舗旅館は東京から名士が出かけて来たのだろう。
時にはお妾さんと、また、湯元から芸者を呼んで、、などといった光景が
想像される。
事実、案内にはこの部屋は川端康成が執筆した部屋、
この部屋は三遊亭歌笑
(戦後すぐの一時期ラジオで国民的人気を呼んだ噺家)
が家族で訪れた云々の説明がある。
今回の部屋は3階の「桜六」という部屋。窓は川(早川)向き。
居間、次の間、着替えの間(昔でいえば控えの間?)の3間。
次の間には、屏風。
床柱を背に座った客が屏風の前で舞われる芸者の踊り見るといった趣。
こうした旅館の希少価値はやはりサービスにある。
どこの温泉ホテル、旅館でも仲居さんというのがいるが
これが実にどうもお話にならないことが多い。
もっとも、
酒飲んでドンチャン騒ぎするだけならばどんな人でもいいかも知れないが、
しかし、本当にゆっくりしたい時には余計な話はしないでもらいたい。
変な自慢、料理の蘊蓄、客を見下した態度etc.。
そんな人に心づけを渡す気にもならない。
ここには「あ、これが日本の昔からある質の高いサービスなんだ」
と思わせるものがある。
ちょっとしたことだが、食事(酒)が終わって布団を敷くころ
ポットに入った冷水を持って来て置いといてくれる。
酔い覚めの水である。
こうした旅館だとさぞ高いかと思いきや、それがそうでもない。
今でもちょっとした温泉ホテルなら2万は取る。
同程度なのである。
老舗という名前だけの店、美人女将、
風変わりでうまくもない自慢料理、
そんなものには「NO」を出さなくてはいけない。
明日は料理と、風呂について。