断腸亭料理日記

`99年夏 箱根塔の沢と相州・国府津の海

8月9日(月)、10日(火)、11日(水)
昨年暮れ、にもここに、記したが
この休み、箱根、塔の沢の、「福住楼」へ行ってきた。

蝉の鳴き込める、真夏の木々を見上げながら、温泉に入る、
という情景を夢想していたが、
生憎、中日(なかび)10日は熱帯低気圧の影響で
一日、蒸し暑い、雨模様であった。

それは、それで、またよし。
終日、温泉と読書で過ごす。

行き帰りの両日は共に、夏空。
小田原・酒匂川河口、国府津(こうず)の海で海水浴することも、できた。

小田原郊外もこの辺りまでくれば、国道一号線も
立派な松並木、一部の古い家並み、立派の門構えを持つ寺、など、
小田原城下も近く、海を見ながら、行き交う旅人の往来で賑わった、
旧東海道の面影を偲ばせるものがあり、
浜辺に座り、のんびりすることが、できた。

また、街道沿いに見える、普通の魚屋が元気そうなのが、いい。

ともあれ、これは、料理日記である。
料理について書かなくて、はならない。

宿の食事で、殊に、うまかったのは、うなぎ白焼きであった。
初日の夕食に出たが、板前が自慢をしていた、と女中さんが
語っていたが、それだけのことは、あった。

奇しくも、白焼きは、一昨日、浜松よりの帰京時に買ってきて、食べたが
市販されている、白焼きはどうしても生臭い。
(浜松などで売られているものは、再度蒲焼きにする、という目的もあり
脂を抜ききっていないのだろう。)

本当に、うまい、白焼きとは、こういうものか、と唸らされた。
30分以上蒸した、と言っていたが、
生臭味はまったくなく、上品な甘みがあり、夢中で食べてしまった。

収穫である。

※平均点 2.636 合計33人

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