断腸亭料理日記2007

上野・昇龍の餃子と上野の山 その1

1月27日(土)

さて、土曜日。
第一食は、カレー鍋の残りのカレーをフェットチーネで食う。

今日は、予報でもいっていたが、やたらと、暖かくなる。
天気もいい。
(最高気温は15℃であったようだ。)
午後から、例によって、落語の稽古に出る。

今日は、上野方面へ行ってみよう。
暖かくなると、餃子が食いたくなる。
暖かくなると食いたくなるものも、いくつかある。
餃子以外では、焼き鳥、焼きそば。
実際に、焼き鳥、焼きそばは、飲食店でも、
スーパーで売られているものも、夏の方が、売上げが上がる。

ともあれ、元浅草の拙亭から、西へ。
清洲橋通りを渡り、路地を歩く。
このあたりは、西町。
池波先生の卒業された、西町小学校。
この跡地は、数年前に永寿総合病院が、元浅草から移転している。

天気もよいので、上野の山、上野公園の方へ行ってみようか。
近所に住んでいながら、上野の山に登るのは、
年に数えるほどしかない。
意外にいかないもの、である。

昭和通りを渡り、さらに、丸井の前で横断歩道を渡り、上野駅広小路口。
前を通り、不忍口の方に回り込む。

西郷さんの銅像の下、駅側の崖に、上野松竹デパート、
上野百貨店やらの名前のついた、“不思議な”商業施設がある。

ここのこと、朝日新聞(Asahi.com)に、泉麻人さんが
【泉麻人の 東京版博物館】で書かれていた。

戦後の露天から、やはり、はじまっているようである。
あやしい、おみやげや、などあって、上野の駅前にありながら
昭和から時間が止まっている空間であろう。

今、少しきれいになって、レストランなども
新しくなっている。

この中の階段を上がると、西郷さんの銅像前に出る。
随分と人も出ている。

十年以上前であろうか、イラン人が大勢たむろし、テレカを
売っていたり。数年前でも、どこの国だかわからないが、
少し色の黒い、東南アジア系、と思われる人達が
情報交換なのか、やはり集(つど)っていた。

このところは、こういう人々はいないのだろうか、
今日は、いたって平穏な感じである。

梅が咲いている。今年はやはり、早いのであろう。

まっすぐ正面に、朱塗りの建物が見える。
これが、上野の清水堂。観音様である。
いってみる。

落語、崇徳院、を思い出す。
恋患いの噺である。
その、若旦那と、お嬢さんの出会いの場が
ここの茶店、で、ある。
(現代では、たいしておもしろい噺ではなくなっているが、
なぜか、三代目三木助師がよくやっていたのか、テープが多い。)

昔はさぞ眺めがよかったのだろうと想像できる。
今でも、不忍池を見下ろし、向こう側、
本郷の台地を見渡すことができる。
ベンチにはカップルが座っていたり、
受験祈願か、若い人がお参りをしている姿もある。

回れ右をし、木々が植えられているなか、公園の奥の方に進む。
左側に野球場、右側に東京文化会館。
クラシックや、オペラ、バレエなどのホールである。
筆者は、ほとんどこの方面に趣味がないので、まるで縁がない。

ここをまっすぐ行くと、右側に西洋美術館と科学博物館。
科学博物館の方は、はるか子供の頃に来た覚えがあるが、
西洋美術館も、音楽同様、趣味がないし、ほとんど知識もない。
このあたり、筆者の弱点、である。

さけるように、左に曲がり、噴水前の広場に出る。
噴水の先には国立博物館。
噴水の手前で、陶器市をやっている。

ちょっと、のぞいてみようか。
陶器市といっても、骨董や古道具の類(たぐい)ではなく、
日常の陶器、で、ある。
小皿など、一つよりどり¥100、という、安いものを
いくつか買う。

陶器は、実は、筆者嫌いではないのだが、
あえて入り込まないようにしている、と、いうのが、
本当のところである。
趣味としては、奥が深い。深すぎるから、近づかない方が
賢明だろう、ということなのである。
(むろんお金もかかる。)


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なにか無駄に長いような気もするが、今日は、ここまで。
昇龍の餃子までは、まだまだ。上野の山は、明日も続く。



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