断腸亭料理日記2006
9月5日(火)夜
やっと、風邪も、快方が見えてきたようにみえる。
このところ来よう来ようと思いつつ、
閉まってしまう時間が早く、また、体調も今一つで、
来れなかった、小島町のうなぎや、やしま、で、ある。
やしまのご主人が、この日記を読んでいて下さり、
先日の落語会にも、来ていただき、お互いに顔と
存在が、ネット、リアルともに明らかになったというところ。
先週であったか、風邪でつらく、早引けし、17:00頃、やしまと、
ハナマサの前を筆者がフラフラ歩いていると、
ご主人にばったり出会ったりしていたのであった。
(ハナマサとやしまは、隣り合っている。)
昼間、中野区役所まで行き、汗を掻いたのがよかったのかもしれない。
うなぎが食いたい!、という気になってきた。
なんとか19:00前にオフィスを出る。
19:30ちょい前、到着。
よかった、暖簾はまだ出ていた。
「こんばんは」と声をかけながら、店に入る。
ご主人が奥から顔を出す。
先客は座敷に一組。
筆者も座敷に上がる。
奥、壁を背にして、胡坐をかく。
お酒を冷で、もらう。
風邪のお陰で、一滴も呑まない日がここ数日続いていた。
これは筆者にはまったく珍しいことではある。
呑みたいとも思わないかった。
いつもの、青海苔がまぶされ、和がらしが添えられた
味噌豆が酒とともにくる。
味噌豆に、しょうゆをかけて、かき混ぜる。
青い細かい、螺旋模様の入った、小ぶりの猪口に酒を注ぎ、
ゆっくりと一杯を呑む。
仕事が終わり、帰ってきて、地元の静かなうなぎやで、
こうして、ぼんやりと、なにも考えず、ぽつぽつ呑みながら
うなぎを待っているというのは、
なんともいえず、寛げる時間である。
お新香がくる。
お新香は大根を細かく切って、大葉を混ぜ込んだ
ものが、うまい。
うな重と肝吸いがくる。
うな重。
雷門の老舗、初小川譲りの、さっぱりとした、
うまい蒲焼である。
前にもどこかで書いているが、
最近、うまいうなぎ、を食べるたびに思うのは、
東京に生まれ育った者としての、幸せ、で、ある。
東京のうなぎの蒲焼、うな丼やうな重は、
誰がなんといおうが
東京にしかない、かけがえのないうまいもの、で、ある。
それも浅草であり、近所の、顔馴染みの
うなぎやの座敷でゆっくり、食える、
というのは、このうえない幸せである。
※昨日配信分、【そば・さらしな総本家・中野南口店】は、
「さらしな總本店」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
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