断腸亭料理日記2006

天ぷら

9月13日(水)夜

会社帰り、魚が食いたくなり、御徒町の吉池に寄る。

秋刀魚の季節である。
なにか焼き魚がよいと思っていた。
鱸もある。

なにがよかろう、、。
一通り見て回ると、めごちがあった。
¥350。

ウイークデーであるが、今日は天ぷらにしようか。
めごちがあると、どうも筆者は見逃せない。

これはさばいてあるもの。

昨年の日記に、頭だけ落としてあるものを
一皿¥100で買っている。

どちらにしても、めごちは安い。
筆者は、天ぷらにするのであれば、きすよりもうまいと思うのだが
安いものである。
まあ、きすもそれほど高いものではないが。

あとは、浅利の剥き身でかき揚げでもしようか。
1パック¥200ちょい。

油が少なくなっていたので、ハナマサで胡麻油とサラダ油。
それから、てんつゆ用に桃屋のつゆを購入。(つゆは桃屋に限る。)
(大根は安かったのでオフィス近所のスーパーで買う。)

帰宅。

ウイークデーに天ぷらを揚げるのは、なかなか気力がいる。
以前、名古屋時代、三十代の頃にはもう少しウイークデーにも
力を入れた料理をしていたように思う。
やはり人間四十を過ぎると、心身ともに急に変ってくるのを
感じないわけにはいかない。

まずは、大根をおろす。
冷蔵庫の野菜室を見ると、古くなった大根がある。
これから使えないか、と、思い、切ってみると、やはり、だめ。
おろしにはできない。
煮ておこうか。
冷凍庫に豚バラが少しあったので、これを一緒に煮よう。
味付けはしょうゆと酒のみ。

買ってきた大根をおろす。

卵の冷水を作る。
ボールに卵、冷水、氷2〜3個を入れ、よく混ぜる。

揚げ鍋に油の準備。
胡麻油と、サラダ油半々程度。
油に点火。

別のボールに小麦粉を用意、卵の冷水を入れていく。
いつもは、卵水にそのまま小麦粉を入れ、その日に揚げる衣を
一度に作っていたが、今日は、別にしてみた。
よく考えると、プロはこうしていたのを思い出したのである。

卵水と小麦粉を合わせて、衣を作るのは揚げる直前がセオリー。
とすると、別にしておき、揚げながら、作っていくのが
よいに決まっている。

とはいっても、めごちは、一気に揚げてしまうので
めごち分の衣は一度に作る。
今日は、少しゆるめ、油温は高めに挑戦してみよう。

衣を落とし、油温をみる。
高温まで、待つ。

いいかな。

1本ずつ、4本ほど入れる。
落ち着くのを待ち、数秒後、恐れず、どんどんと、ひっくり返す。
1分ちょっと、であろうか。
ぶつぶつと、秒数を数えながら揚げている。
今日は、なかなか冷静である。
泡の出る勢いやら、音が確かに変ってくるのに気が付いた。
OK。上げる。
引き続き、2回に分け、全部揚げる。

皿に取り、ひとまず、これで、ビールを一杯。

めごちの場合、熱は、きちんと通した方がよい。
と、すると、今日は薄衣にしたが、別段、薄衣でなくともよい、
ような気もする。
まあ、稽古であろう。

天ぷらを、からっと揚げるには、高温で短時間、というのが
基本なのであろう。
しかし、これは難しい。高温ははねるし、衣がゆるめであれば、
飛び散って、ただのから揚げ、になる危険も増す。
そこで、筆者の場合、硬めの衣を、低温で長く、ということになっていた。
これであれば、失敗は少ないが、揚げ上がり後、すぐに
ベチャッとしてしまう。

と、いうことで、今日は、高温での挑戦になったわけである。
まあ、成功である。
そこそこ、からっと揚がったようである。

一つ二つを食べ、引き続き、浅利のかき揚げ。

ねぎをぶつ切り。お椀に一つ分の衣を作り、浅利剥き身
ねぎを入れる。
大きなスプーンで、かためながら一気に入れる。
数秒後、揚げ箸を厚い部分に突き通す。
熱の通りをよくするためである。

かき揚げも、本当は、油温は高目がよいのであろう。
高温短時間。浅利も熱の通しすぎは、よくない。
以前には、硬めの衣で、衣に熱を通すのに時間がかかり、
浅利は、熱の通しすぎになり、縮んでしまい、どこにあるのかわからない
というようなこともあった。

再び、箸を刺し、熱が通っているのを確認し、上げる。

続けてもう一つ。

なかなかよかった。
浅利の存在感も残っていた。
ねぎもうまい。

筆者の天ぷらも少しずつではあるが、進歩しつつある。




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