断腸亭料理日記2006

鶏飯

10月29日(日)第一食

昨日の夜は、先日のボイルした鶏皮がまだ冷蔵庫にあったので、
またまた、甘辛く煮た。

朝、この煮汁がまだ、残っている。

よし、これで、飯を炊こう。

鶏飯(とりめし)、で、ある。

おかずは、冷凍庫に秋刀魚の、開き、が凍っている。
これでよい。

秋刀魚というものは安い魚であるが、開き、も安い。
1枚むろん、¥100を切っている。
干物としては、今、かなり安いといえよう。
ハナマサで5〜6枚入りのものを買って、
いつも冷凍庫に入っている。

余談だが、以前に、この、開き、で、押し寿司を作っていた。
水分が少し抜け、塩味の付いた秋刀魚の開きは、
押し寿司の材料によかった。

04/4/7

05/5/8

秋刀魚の押し寿司は、和歌山那智勝浦の名物である。
このあたりで獲れる秋刀魚は
太平洋を下り、脂が抜けている、と、いう。
この脂の抜けた秋刀魚は押し寿司に絶好であるという。
押し寿司はできれば、脂が少ない方がよい。
脂の多いものでは、生臭さが強く出てしまうからである。

しかし、関東で脂の少ない秋刀魚というのは、なかなか、ない。

そして、押し寿司をうまく作るもう一つ条件は、
水分がよく抜けている、ということである。
脂っこい上に、水分が抜けていないと、
かなりの生臭いものができてしまう。
生のものから作るとすると、塩をしてやはり一晩は
置くのが、那智勝浦での本式の作り方であるという。
(これは、本来は、なにも勝浦に限らないだろう。
最近は、東京の鮨屋では、小肌は別だが、鯖などでも、
完全に、〆てしまうことはあまりない。半生程度である。
しかし、随分前だが、葛飾に住んでいる頃、立石の魚屋で、
〆鯖の作り方を聞くと、やはり、
「塩をして一晩だよ」と、いっていた。)

この条件には、開き、はぴったり。
まあ、そんなわけもありまた、何もない時の、
おかず、つまみ用に、秋刀魚の開きは、
冷凍して常備してあったのである。

余談が長くなってしまった

鶏皮の煮汁で、鶏飯を作る、で、あった。

脂も出ているが、しょうがも入り、甘辛。
筆者がいつも作る、炊き込み御飯は、
どちらかというと、しょうゆと酒のみが、多い。
あまり砂糖の入った汁、というのは使わない。

まあ、よかろう。
鶏皮の脂の出た汁はうまかろう。
これでやってみようか。

飯をとぐ。

つゆを入れ、水加減をする。

まあ、作るといっても、こんなもので終わってしまう。

一つだけ気を付けることは、しょうゆなどの味の付いたつゆで
飯を炊く場合は、よく浸水させること。
真水よりも、米に水分が入りにくく、通常の浸水時間で炊いてしまうと
芯がある飯になってしまうのである。

あとは、秋刀魚の開き、を解凍して焼く。

蕪の葉っぱの細かく切って塩漬けにしたもの、があるので

それも出す。

鶏飯は、具は何もないが、味は濃い。
案の定、鶏の脂がたっぷりと染み込み、格別にうまい。
甘さも、さほど気にならない。

蕪の葉っぱは、細かく刻んで塩でもんで水を出し、
一度洗う。
この段階で既に食えるが、再度重しをして、冷蔵庫。
ちびちびと食べていた。

こんな朝飯も、うまいものである。





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